3月29日(木曜日)、東芝エネルギーシステムズ株式会社が、韓国・延世大学校から回転ガントリーを有する最新型の重粒子線がん治療装置を受注したことを発表しました。
QST放射線医学総合研究所と韓国・延世大学校は、重粒子線がん治療に関する研究分野での相互協力の推進と、その成果の普及促進を目的に2017年7月6日に協力取決を締結し、知識や技術の共有、人材交流などに取組んできました。
今回、韓国・延世大学校が日本企業の重粒子線がん治療装置の導入を決めたことは、この取組の成果の一つです。これにより、QST放射線医学総合研究所が1993年に世界に先駆けて実用化した重粒子線がん治療装置が、25年の歳月を経て海外に初めて羽ばたくこととなりました。
QSTでは、株式会社東芝、住友重機械工業株式会社、株式会社日立製作所、三菱電機株式会社と包括協定を結び、小型で高性能な次世代重粒子線がん治療装置である「量子メス」を開発するプロジェクトを進めています。このプロジェクトは、標的アイソトープ療法や早期発見のための量子イメージングの開発、そして免疫制御療法などと合わせて「がん死ゼロ健康長寿社会」の実現に向けたQSTの重要な研究テーマの1つです。QSTは日本発の「量子メス」の実現と普及を目指して研究開発を進めていきます。