家庭のゴミとして排出される使用済み食用油をバイオディーゼル燃料(BDF)に転換するためにグラフト触媒を適用すると、従来の溶液触媒法により発生する大量のアルカリ廃液や洗浄廃液を大幅に低減することができる。
シーズの特徴(成果含む)
- 放射線グラフト重合により触媒機能を発現可能な官能基を繊維状高分子に固定化することで、再利用が可能となり、その都度大量のアルカリ廃液を排出する溶液触媒法に比較して、環境負荷を大幅に低減することができる。
- グラフト触媒の官能基を選定することにより、廃食用油に含まれるトリグリセリドと遊離脂肪酸の全ての油脂成分を効率よく簡単にBDFに変換することができる。
- グラフト触媒は高分子(固体)である利点から、再生処理が容易にでき、繰り返し利用ができる。

使用済み食用油をグラフト触媒に通過(接触)させるだけでバイオディーゼル燃料(BDF)に変換でき、触媒は再生可能。
アウトカム
環境資源捕集材料・浄化材料(フィルター)
知財等関連情報
1) 特許第5167110 「バイオディーゼル製造用触媒とその製造方法並びにバイオディーゼルの製造方法」
2) Y.Ueki, etc, “Biodiesel fuel production from waste cooking oil using radiation-grafted fibrous catalyst”, Radiat. Phys. Chem., 143, 41–46 (2018)
アウトカムに至る段階
応用段階
連携希望企業
製油メーカー・NPO法人
担当者
量子ビーム科学部門
高崎量子応用研究所先端機能材料研究部環境資源材料研究
瀬古 典明