銅酸化物超伝導体を中心に、多体効果が重要な電子系(量子多体系)の電子ダイナミクスを観測することでその効果を明らかにし、物性の発現機構解明を目指す。
シーズの特徴(成果含む)
- 適切な吸収端を利用することで、電荷とスピンのダイナミクス(励起)を選択的に観測することができます。また、従来のスピンダイナミクスの観測手法である中性子非弾性散乱の相補利用も有効です。
- 短波長であるⅩ線の特性により、励起のエネルギー・運動量依存性を得ることができます。
- 理論計算と組み合わせることで、電子間クーロン相互作用、スピン間の交換相互作用、結晶場の効果などが明らかにできます。

○三種の量子ビーム非弾性散乱に役割分担させることで、スピンと電荷の励起のエネルギー・運動量空間における全体像を明らかにすることに世界で初めて成功し、電子ドープ系銅酸化物超伝導体では、反強磁性スピン相関を残しつつ、電子がより動きやすい遍歴的状態にあることがわかりました。
アウトカム
強相関電子材料、超伝導材料
知財等関連情報
1) K. Ishii et al., Nature Commun. 5, 3714 (2014).
2) 石井賢司, 固体物理51, 79-92 (2016).
アウトカムに至る段階
基礎
連携希望企業
材料メーカー
担当者
量子ビーム科学部門
関西光科学研究所
放射光科学研究センター磁性科学研究グループ
石井 賢司