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放射線高度利用施設部 ビーム技術開発課

ナノビーム形成技術の開発

掲載日:2019年10月30日更新
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ガスイオンナノビーム形成装置


ガスイオンナノビーム形成装置

 

表面加工や分析への応用を目的として、加速電場のみを用いた高縮小率レンズ系を持つkeV領域のコンパクトなガスイオンナノビーム形成装置の研究開発を行っています。

現在、keV領域のイオンナノビームの形成には液体金属イオン源を用いた集束イオンビーム装置(FIB)が利用されています。 この装置により形成される数ナノメートル(nm)径のガリウム等のイオンナノビームはスパッタリング効果が大きいため、物質表面の加工等に用いられています。 しかし、分析用途では、このスパッタリング効果のため、物質表面へのダメージが大きく、 また、表面加工においても、照射したガリウムイオンが物質中に残留する問題があります。 これらの問題は水素、ヘリウム、アルゴン、キセノン等のガスイオンナノビームを用いることで回避可能ですが、 ガスイオンナノビームを形成するには高縮小率のレンズ系が必要なため、これまで、実現されていませ んでした。そこで、プラズマ型イオン源と加速電場を用いた集束レンズ系とが一体になった形成装置を新たに開発し、 keV領域のガスイオンナノビームの形成を目指しています。 この結果、47keVの水素イオンビームで170nm径の形成に成功しました。 さらにビーム径の縮小化と高エネルギー化の研究開発を進めています。