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量子生命・医学部門

被ばく事故対応の実績

掲載日:2019年4月24日更新
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非破壊検査用イリジウム線源による被ばく事故対応(1971年9月)

1971年9月18日、千葉県市原市の造船所の構内にて、非破壊検査に用いる強力な放射線源であるイリジウム192(190GBq)が落ちていた。作業員がそれを放射線の線源と知らずに自分の下宿に持ち帰り、訪ねてきた友人5人とともに被ばくする事故が発生した。

2日後に造船所では線源の紛失に気づき、9月23日に科学技術庁(現、文部科学省)に届け出た。9月25日、作業員は自分逹が触ったものがこの放射線源であることに気づき、9月26日以降、この6名が放医研に入院し、被ばくの治療と線量評価が行われた。線量は物理学的及び細胞遺伝学的な2つの方法により推定され、全身の平均吸収線量は最大で1.3Gyと求められた。

現在もそれらの患者のフォローアップ調査が定期的に実施されており、20年以上を経て、血流の低下が主な原因と考えられる手指の萎縮及び壊死が生じたため、2本の手指を切断、趾の移植を行った。

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チェルノブイリ事故周辺地域からの帰国者チェック(1986年5月)

1986年4月25日早朝、チェルノブイリ原子力発電所4号炉で、爆発、火災に伴う炉の破損によって、放射性物質が大量に外界へ放出される事故(チェルノブイリ原子炉事故)が発生した。

1986年5月5日、放射線医学総合研究所は、外務省、科学技術庁の要請を受け、成田空港に到着するキエフ地方からの帰国便3便に搭乗している118名の健康診断を行った。
健康上問題のある者はいなかったが、顕著な汚染の残存が認められる者にはその旨説明の上、放医研にて、衣服の交換、除染を行った。

その後、8月まで、ソ連、東欧帰国者の検診も実施した。

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東海村臨界事故への対応(1999年9月)

​1999年9月30日10時35分頃、茨城県東海村にあるウラン加工工場で臨界事故が発生した。2名の作業員(AおよびB)が硝酸ウラニル溶液を沈殿槽と呼ばれる容器へ注入中に青い光が見え、同時にエリアモニターのアラームが鳴り出した。この事故で、作業室から壁を隔てた廊下の机にいた他の1人(C)を含めて3名の作業員が高線量の放射線(中性子線およびガンマ線)に被ばくした。Aは直後から嘔吐、下痢を発症、Bも一時間以内に嘔吐を始めた。最初に患者が運ばれた国立水戸病院での血液検査から高線量被ばくである可能性が、また患者の体表面サーベイから放射性核種による汚染が疑われたため、放射線医学総合研究所に転送された。放射線医学総合研究所は、事故に関する情報が得られないまま患者を受け入れたものの、患者が持っていた携帯電話や患者の吐瀉物からナトリウム-24などの核種を検出し臨界事故であることを明らかにするとともに、臨床症状、血液中のナトリウム-24、リンパ球数、染色体分析から被ばく線量の推定を行った。その結果は、ガンマ線に換算してAは16-20Gy、Bは6-10Gy、Cは1-4.5Gyであり、この結果に基づいて治療方針が決められた。AおよびBについては造血幹細胞移植が必要であるとの結論になり、Aは東京大学医学部附属病院で末梢血幹細胞移植を、Bは東京大学医科学研究所附属病院で臍帯血幹細胞移植をそれぞれ受けた。しかしながら、広範な皮膚障害と消化管障害を含む多臓器不全のため、Aは第83病日に、またBも第211病日に死亡した。Cは放射線医学総合研究所で治療を受け、外来で経過観察されている。

また、今回の事故では、事故後の近隣住民への対応が非常に重要であることが認識された。放射線医学総合研究所は現地での住民の線量評価、放射線の影響についての説明、健康相談、健康診断等への参加、原子力安全委員会健康管理検討委員会への委員の派遣をした。一方では事故の社会へ与えた影響が大きかったために警察、検察、労働基準監督所、マスコミなどへの対応を行った。現在も東海村、那珂市 住民の健康相談、健康診断に協力している。

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電子工場軟X線局所被ばく事故対応(2000年6月)

2000年6月13日~18日に、某電子部品工場において、軟X線による非破壊検査中にインターロックの解除による被ばく事故が発生し、従業員3名が右手に局所の被ばくを負った。

当該従業員は放射線熱傷をきたしたため、被ばく線量推定、専門的治療目的で、放射線医学総合研究所紹介となった。
放射線医学総合研究所において現地での実測、インタビューを基に被ばく線量の推定を行った結果、推定被ばく線量はそれぞれ右手で40、50、60Gy以上であった。全身被ばくは無視できる程度であった。

これらの被ばく患者に対し、急性期には、放射線医学総合研究所に入院の上、熱傷の創部の治療を行った。

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JAEA大洗研究開発センタープルトニウム被ばく事故​対応(2017年6月)

2017年6月、JAEA大洗研究開発センターにおいてプルトニウムによる汚染事故が発生し、作業中であった5名が被ばくした。

発生当初は大量の内部被ばくが疑われたが、QSTで再検査、被ばく線量評価を実施した結果、体表面に汚染が残存している状態で肺モニター測定を行ったことによるものと判明した。診療に際しては、プルトニウムの体外排出を促進するDTPAが投与され、現在もフォローアップを継続している。

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