2019年4月、QSTは国から基幹高度被ばく医療支援センターに指定されました。これを機にQSTでは「高度被ばく医療センター」を設置、全国的な被ばく医療体制の確立に向けた人材育成に取り組んでいます。教育研修を標準化し、国内の各地にある原子力災害拠点病院や原子力災害医療協力機関のどこでも等しく被ばく医療対応が行われるよう、均てん化を進めます。今後養成される専門家が、各地域の実情に合わせた緊急被ばく医療訓練を実施できる体制を整えることが、この取り組みの目標です。
QSTは過去の放射線事故を通じて線量測定・リスク評価を経験し、その開発にも注力してきました。これらの経験や技術を、国から高度被ばく医療支援センターに指定された、弘前大学、福島県立医科大学、広島大学、長崎大学に伝えていきます。また、QSTが持つ、国内唯一の内部被ばくの線量評価技術の開発も進めます。大量被ばくによる急性放射線障害の治療には、精度の高い「被ばく線量測定」とその結果からの「被ばくリスク評価」を迅速に行うことが最も重要です。特に内部被ばく線量は簡単に測れるものではないため、実測法に加えて、シミュレーションにより被ばく線量を推定する技術の開発も目指しています。
インタビュー
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