生物系実験環境の整備状況
この資料は、HIMAC共同利用研究の課題申請書を作成時に、又はHIMACの実験を行う前に、HIMAC生物系の実験環境の整備状況を把握して、立案した実験が実施可能かどうかを確認・対応することで、円滑な実験遂行を実現するために作成したものです。
HIMAC共同利用実験では、使用できる通常の細胞培養、実験動物の飼育できる設備があります。これらは共同で使用するものです。従って他の実験者との競合の無いように実験前には調整を行っていますので、協力をお願いいたします。
なお、消耗品の提供は原則行いません。劇毒物や高圧ガスなど、危険がともなう実験材料の準備については、所内対応者あるいは生物実験世話人まで事前に相談してください。また、設備についても状況により使用できない場合もありますのであらかじめご了承ください。
質問は生物実験世話人(笠井清美、下川卓志、メール: himac_bio@qst.go.jp)までお願いします。
照射実験の設備
- ビーム:水平ビーム。散乱体とワブラーマグネットの組み合わせで直径10cm 程度の平坦な照射野を形成している。通常は大気中にサンプルを置く。サンプルの前にバイナリーフィルターを置くことによりエネルギーを調整する。最大線量率はイオン種、エネルギーにより異なるが、炭素線290MeV/u、 monoΦ10 で最大10 Gy/min 程度。
- 照射架台:水平方向にリモートコントロールで移動可。最大可動距離1380 mm(60 mm 間隔で24 サンプル、150 mm 間隔で10 サンプル、300 mm 間隔で5 サンプルの照射が1 回の入室で可能)
- 動物照射:全身照射容器(マウス、ラット)、脳照射用容器(マウス、ラット)、腸管照射用容器(マウス)、下肢照射用板(マウス)
- 細胞照射:血液(浮遊細胞)照射容器、培養フラスコ固定板。使用可能な培養フラスコはFALCON(青)T12.5、FALCON(青)T25、FALCON(青)T75(照射野15cm)、外部循環付き恒温槽
- その他:ラボジャッキ、ポリエチレンブロック
細胞培養室の設備(重粒子線棟2階 管理区域内)
クリーンベンチ、CO2 インキュベーター、
ピペットマン、ピペットエイド、
顕微鏡(倒立、蛍光)、遠心器(室温・冷却)、
コールターカウンター、吸光度マイクロプレートリーダー、電子天秤
恒温槽、ホットプレート、電子レンジ、チューブミキサー、小型ヒートブロック、
オートクレーブ、冷凍冷蔵庫、乾熱滅菌機、製氷器、純水製造装置
動物飼育室の設備(重粒子線棟1階 放射線管理区域外 動物管理区域)
マウス飼育室、ラット飼育室各1室
- 衛生的観点から量研機構千葉地区が許可している日本国内のブリーダー※1で生産されたSPF動物で、かつ非遺伝子組換え動物のみ飼育が可能。※1:日本チャールス・リバー社、日本クレア社、日本エスエルシー社
- 飼育棚、机、天秤、小型冷凍庫(死体一時保管用)
- 飼育室での実験動物の飼育期間は最大で4~5ケ月間。
1階生物実験室(重粒子線棟1階 管理区域内)
- この実験室ではP2、P2A、BSL2まで実験が可能。(P3、BSL3以上の実験は出来ない)
- カプセル型飼育装置(バイオクリーンカプセル)※2があり、NIRSが許可している日本国内のブリーダーで生産されたSPF動物、その他NIRSで許可された実験動物の飼育が可能。※2:P2Aまでの実験動物(マウス、ラット、ウサギ等)の飼育が可能。この飼育装置は、占有して使用可能な期間は20日程度まで。
- 安全キャビネット、CO2 インキュベーター、冷凍冷蔵庫、顕微鏡(倒立)、遠心器、冷却遠心器(マイクロチューブ用)、コールターカウンター、オートクレーブ、恒温槽、ピペットマン、ピペットエイド、チューブミキサー、電子天秤
準備室の設備(重粒子線棟1階127号室 管理区域外)
フローサイトメータ−(ベックマン・コールター社Gallios、ベクトン・ディッキンソン社FACSCalibur)
イメージングサイトメーター(GEヘルスケア社 IN Cell Analyzer 2000)
タイムラプス機能付倒立顕微鏡(OLYMPUS社)
ドライアイス、純水製造装置
ネットワークへの接続
重粒子線棟ではローミングアクセスサービス”Eduroam"の使用が可能です。
”Eduroam"の登録などの手続き・問合せは各研究者の所属機関で行う事になっておりますのでご注意ください。
お問い合せ先
HIMAC共同利用研究推進室
E-mail: himac_riyou@qst.go.jp
または
生物実験世話人(笠井清美、下川卓志)
E-mail: himac_bio@qst.go.jp