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2 日本初量子コンピュータ ー 3機の超伝導量子コンピュータ
「純国産」量子コンピュータ ー大阪から、世界へ
大阪大学 量子情報・量子生命研究センター(QIQB)
量子コンピュータは、量子の“重ね合わせ”や“もつれ”といった性質をつかって計算する、新しいしくみのコンピュータです。「0」と「1」が重なり合う量子ビットをつかい、0でも1でもありうるさまざまな可能性を波のように干渉させ、結果を“観測”して答えを導きます。このしくみによって、0または1の値によって情報を処理するこれまでのコンピュータでは不可能な、大きな数の素因数分解や、複雑な分子のふるまいの計算、さらには光合成やブラックホールの解明にも役立つと期待され、今、世界中で技術革新が進んでいます。
このコーナーでは、大阪大学がさまざまな機関や企業と協力して開発した国産量子コンピュータにタブレットで実際にアクセスしてプログラミングを体験できるほか、国内メーカーによる部品や素材、しくみを学べる模型やゲームも展示しています。未来の計算のかたちを、ぜひ体感してください。
関連情報
◼︎ 大阪大学 量子情報・量子生命研究センター(QIQB) 本展示の特設ページ ➡︎サイトへ
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初号機「叡」
量子コンピュータ研究センター(RQC)
2023年3月、理化学研究所において、日本初の国産超伝導量子コンピュータ「叡(えい)」が公開されました。同じ年には初号機の技術を活用して、理研RQC―富士通連携センターで2号機が、大阪大学で3号機が公開され、「国産量子コンピュータ元年」ともいえる記念碑的な年となりました。
ここでは、「叡」の3次元設計図をもとに、仮想空間と現実世界を融合させるXR(クロスリアリティ)技術で再現した量子コンピュータを験できます。あわせて、理化学研究所で実際に開発された量子コンピュータの“頭脳”ともいえる量子チップを間近でご覧いただけます。
ⓒ RIKEN Center for Quantum Computing
ART
量子コンピュータXR Quantum Computer XR
理化学研究所 量子コンピュータ研究センター 制作:ライノスタジオ
超伝導量子コンピュータをXRで体験できる作品です。実際の設計図を基に精密に再現された巨大な装置を、自分の手で分解しながら探索できます。幾重にもなる配線・部品や冷却用機械を外していくと、最後に現れる極小のチップこそが、量子計算の心臓部です。手に取って間近で観察することで、最先端技術の精巧さを実感できます。かわいらしい猫のキャラクターが量子コンピュータのしくみをわかりやすく解説し、複雑な技術を身近に感じることができます。
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シャンデリア ー超伝導量子コンピュータのすがた
富士通株式会社
量子コンピュータの大きな筒を取ると、金色に輝く冷凍機があらわれます。この冷凍機のいちばん下に、宇宙の温度よりも低いほとんど“絶対零度”に冷やされた、量子ビットの集積回路 ——量子コンピュータの頭脳が入っています。そして、量子ビットを操作するため無数のケーブルがチップに向かうその独特な姿を、研究者は “シャンデリア” とよびます。
この展示では、理研RQC―富士通連携センターにて開発された2号機を、実寸大スケールの模型でご覧いただけます。
量子コンピュータは、自然界をつかさどる量子の性質をそのままあつかうことによって、自然のしくみを解きあかそうとする装置です。自然がとても美しいように、量子コンピュータも独特な美しさを放っています。
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