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6 量子センサー ― 瞬間を見つめる鋭い目
さまざまな量子センサー
電子などの粒子は、「スピン」とよばれる量子的な性質をもっています。このスピンはときには小さな磁石のようにふるまい、周囲の環境のほんのわずかな変化にも反応します。この性質を活かして、超高感度なセンサーを実現できると期待されており、基礎科学から医療やものづくり、エネルギー、資源探査、生命科学など、いろいろな分野での活躍が注目されています。展示では、量子的なスピンを活かした2つのセンサーをご紹介します。東京科学大学が開発したダイヤモンド中のスピンをつかった量子センサーと、東北大学によるコンパクトMRIのしくみをつうじて、量子技術が切りひらく未来を体感してみましょう。
ダイヤモンド量子センサー
東京科学大学
東京科学大学では、ピンクダイヤモンドをつかった量子センサーを研究開発しています。「ダイヤモンドNVセンター」とよばれるそのセンサーは、ダイヤモンドの中の炭素(C)原子のひとつを窒素(N)に置き換えるというもの。そのすぐとなりに空孔ができて、そこに光を当てると蛍光が生まれ、蛍光の強さの変化で磁場、電場、温度を計測できます。展示では、クイズ形式で、やさしく楽しく、超高性能なセンサーのふしぎとしくみを体験していただけます。
制作|siro Inc.
協力|内閣府「SIP第3期課題 先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」、文部科学省「光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)」
TMRセンサー/Spin-MRIによるインスタレーション
東北大学
人間の脳の中などの生体情報や、外からは見えない構造物内の情報を、磁場を見ることで高精度にとらえ、高速に処理して可視化する量子スピントロニクス技術が注目されています。スピンとは、量子レベルの極めて小さな磁石のことで、このスピンを利用すると、さまざま磁場の変化を高感度に測ることができます。展示では、量子スピントロニクスセンサ(通称TMRセンサ)をつかった非常にコンパクトなMRI装置「Spin-MRI」をご紹介します。
制作|siro Inc.
協力|内閣府「SIP第3期課題 先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」
関連情報
東北大学 大兼幹彦研究室
ART
《ダイヤモンド量子センサー》
《TMRセンサー/Spin-MRI インスタレーション》
制作|siro Inc.
2025
エンジニアリングによる問題解決・イメージング実現まで、企画・プロトタイピング・開発を幅広く手がけるsiroが、実は身近にある「量子×光」や「身近に潜む量子的なふるまい」などをデザインで表現した展示(東京科学大学)に加え、量子スピンセンサー(TMRセンサー)を用いて空間の磁場変化を繊細に検出する光と音・小型のMRI装置の体験展示(東北大学)を展開します。