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播磨地区開催

関西光科学研究所 | 第9回QST播磨セミナー 軟X線高分解・高回折効率ホログラフィック回折格子及びそれを応用した分光器の開発

掲載日:2018年10月10日更新
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第9回QST播磨セミナー

軟X線高分解・高回折効率ホログラフィック回折格子及びそれを応用した分光器の開発

 

講演者 小池雅人客員研究員
(関西光科学研究所光量子科学研究部)
場所 放射光物性研究棟4階応接室(QST播磨地区)
日時 2018年10月10日(水曜日)14時00分~
使用言語 日本語

軟X線高分解・高回折効率ホログラフィック回折格子及びそれを応用した分光器の開発

小池雅人客員研究員
(関西光科学研究所光量子科学研究部)

概要

従来軟X線領域で用いられる科学計測用回折格子は低分解、低回折効率、また分光器としては波長駆動機構が複雑であるという問題を抱えていた。そのため、約40年前当時実用になりつつあった高出力レーザーを用いて回折格子溝を刻線し、任意の溝間隔をもつ回折格子を光学的に加工する方法(ホログラフィック法)の開発が望まれていた。これらの問題を克服するため、ホログラフィック法で回折格子溝パターンを生成する際にレーザー光の波面を非球面に整形した2光束干渉を用いて溝間隔を制御することによって分光器の収差を打消し、高スペクトル分解が得られる不等間隔溝回折格子の生成技術並びに軟X線多層膜の付加による高回折効率化技術を開発した。本開発により、軟X線域の分光器の収差補正に必要な10%以上溝間隔を変化させた不等間隔溝を持つ回折格子の製作が可能となり、軟X線域で高分解・高回折効率を持つ高性能回折格子及び波長走査が容易で機械的に安定した実用的な分光器が製作できるようになった。開発した回折格子を用いた分光器は放射光源や電子顕微鏡に応用され、例えば軽量・高強度で自動車の燃費向上などで環境への低負荷社会の実現へ貢献する高機能鋼板の材料評価研究や、大容量で安全な次世代リチウム電池等の開発研究等に貢献している。