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アライアンス事業

アライアンス事業の仕組み

当機構(QST)では、産業界に存在する技術的課題を解決し、そのブレークスルーによって当該業界にイノベーションを創出するため、
QSTと特定分野の企業“群”が共同で研究開発を行うアライアンス事業を2017年度より開始、2022年度をもって第1期が終了しました。
2023年度からは第1期のアライアンス事業の基本的な仕組みは引き継ぎつつ、より発展的な目的を掲げた第2期を開始いたしました。

アライアンス事業の社会的背景

企業活動がグローバル化し世界的な競争が激化する中、産業界には解決すべき様々な技術的課題が存在します。
これら技術的課題を解決するには、自社技術だけでなく幅広い分野の結集が必要となる場合も多く、
開発を行うための施設・設備の他、多額の研究資金が必要となります。これら全てをひとつの企業で賄うことは大企業であっても困難で、
また開発に失敗した場合のリスクに対する懸念から、容易には開始できません。
複数の企業が共同で取り組むことも考えられますが、異分野間ではマッチングできる機会が少なく、また同じ分野の企業は、
お互いにライバル関係にあるため調整が難しいのが現状です。このように多分野連携が必要となる開発での課題解決においては、
オープンイノベーションの必要性が指摘され、今後、実効的な成果が上がる取り組みが民間だけでなく、国立の研究機関にも求められています。
国立研究開発法人であるQSTは、製品開発は行っていないものの、材料開発分野や画像診断研究分野などを代表とする様々な分野で最先端の研究開発を行っており、
豊富な人材と最新の研究施設・設備を擁してします。そこでQSTは、産業界に存在する技術的課題を解決するため、
特定分野の企業群とQSTが共同で研究開発を行う仕組みであるアライアンス事業を開始しました。

 

アライアンス事業の社会的背景の画像

アライアンス事業の基本の仕組み

この事業は、量研が特定分野の研究開発を行うための「アライアンス」を設定し、これに関心を持つ企業が「会員」として入会します。
基本的な仕組みとして次の3つの段階を経て研究開発を推進します。

第1段階

QSTと全会員で当該分野における技術的課題の抽出やその解決に向けた情報交換・ディスカッションを行い、優先して開発すべき目標を定める

第2段階

第1段階で定めた開発目標に特に興味をもつ少数の会員と量研が実際に技術的課題解決のための研究開発を行い、様々な成果を得る。

第3段階

少数の会員とQST、あるいは会員とQSTが1対1で契約を結び、第2段階までに得られた研究成果を基に市販化される製品や実務に役立つ技術の開発を行い、
最終的な技術的課題の解決とそれを基にしたイノベーション創出を目指す。

第3段階の画像

アライアンスのメリット

このアライアンス事業を進める事により、各企業は最新の研究開発動向を効率よく入手できるだけでなく、新規参入によって生じる投資リスクを低減しつつ
効率的に技術開発に取り組めると共に、最終産物である製品や技術をより早期に世の中に送り出すことが可能になります。
とりわけ、量研が持つ加速器、放射線イメージング装置、高磁場MRI装置とその周辺技術については、初期投資が極めて高額となり、
その有効活用には技術的蓄積・更新が欠かせないため、単独企業では参入が困難な技術分野です。またアライアンス会として量研が仲立ちをすることで、
特定分野における企業間の連携も図りやすくなることが期待できます。
一方、QSTは自らが持つ知識や施設・設備を我が国の産業発展のために生かすと共に、企業が考えるニーズや企業が持つ技術シーズや知識を活用する事も可能となり、
より先端的な研究開発に生かすことができます。なお、アライアンス事業には、民間企業だけでなく大学や研究開発法人などのアカデミアにも門戸を開いており、
今後の産業界とアカデミアの広範かつ深いコラボレーションにも期待できます。
2020年度においては、22社の民間企業と1つの研究開発法人の参加があり、各アライアンスにおいて研究開発を推進しております。

お問い合わせ

ご意見やご質問は以下の連絡先までお問い合わせください。
イノベーション戦略部 産学連携戦略課
Tel:043-382-8061 Fax:043-206-4061
E-mail:innov-alliance@qst.go.jp