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播磨地区開催

【2021年7月21日開催】関西光科学研究所 | 第26回QST播磨セミナー エネルギー分散型XAFSによるRh(III)イオン錯体のレーザー誘起光還元機構の研究:多変量スペクトル解析によるRh中間体情報の抽出

掲載日:2021年7月9日更新
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第26回QST播磨セミナー

エネルギー分散型XAFSによるRh(III)イオン錯体のレーザー誘起光還元機構の研究:多変量スペクトル解析によるRh中間体情報の抽出

講演者

佐伯 盛久 上席研究員(量子ビーム科学部門高崎量子応用研究所東海量子ビーム応用研究センター)

場所 Webex Meeting
日時 2021年7月21日(水曜日)14時00分~15時00分
使用言語 日本語

 

エネルギー分散型XAFSによるRh(III)イオン錯体のレーザー誘起光還元機構の研究:多変量スペクトル解析によるRh中間体情報の抽出
Dispersive XAFS Study on Laser-induced Photoreduction of Rhodium(III) Complexes: Information Extraction of Rh Intermediate by MCR-ALS Analysis

佐伯 盛久 上席研究員

(量子ビーム科学部門高崎量子応用研究所東海量子ビーム応用研究センター)

概要

 元素分離分析プロジェクトでは、レーザー誘起微粒子化反応を利用した工業廃液からの貴金属回収技術開発を進めており、その一環として貴金属錯体イオンのレーザー誘起光還元機構をエネルギー分散型X線吸収微細構造(XAFS)分光により調べる手法を構築してきた(J. Phys. Chem. C 2019, 123, p817)。ところで、レーザー照射により貴金属イオンMn+が中性原子M0に還元される様子は、X線吸収端近傍構造(XANES)の時間変化から追跡でき、等吸収点が存在する場合には2成分モデル(Mn+→M0)で解析できる。一方、光還元反応において中間体イオンMintが存在する場合(Mn+→Mint→M0)、XANES変化を解析するためにはMn+とM0以外にMintイオンのスペクトル情報が必要になる。しかし溶液中で中間体であるMintだけを単離し、そのスペクトルを測定することは困難である。そこで、我々はケモメトリクスの1種である多変量スペクトル解析を利用して、数百程度の時間分解XANESスペクトルデータから中間体イオンのスペクトルを抽出することを考案した。本セミナーではRh3+イオン錯体でレーザー誘起光還元の時間分解XAFS測定を行い、得られた一連のXANESデータに多変量スペクトル解析を適用することにより、これまで報告例のなかったRh中間体の情報を得ることに成功したので、これについて紹介する。