保水性能を有する生物試料収容用PDMSマイクロチップ
線虫収容保定用PDMSマイクロチップ
モデル動物の線虫専用のポリジメチルシロキサン(PDMS)製のマイクロチップをBiocosm株式会社(尼崎市)と共同で開発し、「Worm Sheet(ワームシート)」として製品化しました。
線虫(C.elegans)の成虫(体長約1 mm、幅約60 µm)を幅50 µmまたは60 µmのチャネル(溝)に収容することで、麻酔を用いずに動きを抑えることができます。母材のPDMS自体に保水(脱水防止)性能を付与することで線虫の状態を長時間良好に保つことに成功し、収容したままでの長時間の実験や観察を可能にしました。自家蛍光がないため蛍光観察にも好適です。
モデル動物の線虫専用のポリジメチルシロキサン(PDMS)製のマイクロチップをBiocosm株式会社(尼崎市)と共同で開発し、「Worm Sheet(ワームシート)」として製品化しました。
線虫(C.elegans)の成虫(体長約1 mm、幅約60 µm)を幅50 µmまたは60 µmのチャネル(溝)に収容することで、麻酔を用いずに動きを抑えることができます。母材のPDMS自体に保水(脱水防止)性能を付与することで線虫の状態を長時間良好に保つことに成功し、収容したままでの長時間の実験や観察を可能にしました。自家蛍光がないため蛍光観察にも好適です。
文献情報
・Michiyo Suzuki, Tetsuya Sakashita, Yuya Hattori, Yuichiro Yokota, Yasuhiko Kobayashi, Tomoo Funayama, Development of ultra-thin chips for immobilization of Caenorhabditis elegans in microfluidic channels during irradiation and selection of buffer solution to prevent dehydration.
Journal of Neuroscience Methods, 306, 32-37, 2018.
・Michiyo Suzuki, Tetsuya Sakashita, Tomoo Funayama, Immobilization of Live Caenorhabditis elegans Individuals Using an Ultra-thin Polydimethylsiloxane Microfluidic Chip with Water Retention.
紹介動画
紹介動画 ( QST-Takasakiチャンネル)
線虫用PDMSマイクロチップ Worm Sheetの紹介動画
体長約1 mmの線虫(C. elegans)を1.5 cm角のWorm Sheet上に形成された幅60 µmの直線状のチャネル(溝)に収容することで、麻酔を使わずにその動きを抑え、生きたままの状態でイオン照射や蛍光観察を行うことができます。Worm Sheetの概要をご紹介します。
線虫をWorm Sheetに収容保定する方法の紹介動画
Worm Sheetのチャネル(幅60 µm)に、体長約1 mmの線虫(C. elegans)を収容する方法をご紹介します。
QST高崎研のスゴ技! 線虫へのマイクロビーム局部照射実験の紹介動画
量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所には、各種イオンを数ミクロン(µm = 1000分の数mm)のサイズまで細く絞り、動植物の特定の細胞や組織を狙って照射することができる、世界最先端のコリメーション式イオンマイクロビーム照射装置があります。この装置を用いて、Worm Sheetに収容保定した線虫の咽頭を狙ってイオンマイクロビームを局部照射する実験の様子をご紹介します。
J. Vis. Exp.誌掲載動画
Worm Sheetの使用方法と性能の紹介動画(全編英語)
実験プロトコルなどのオンラインビデオジャーナルであるJournal of Visualized Experiments誌の145号(2019)に掲載された動画です。線虫収容保定用PDMSマイクロチップWorm Sheetの使用方法と性能などについてご紹介します。