Mission
大型研究開発施設群を活用した新たな価値の創出・提供
イオンビーム、電子線、レーザー、硬・軟X線放射光等の量子ビームの発生、制御、利用技術の開発・高度化を推進し、国内外の研究者・技術者への世界にも類を見ない高性能量子ビーム施設群の供用及び共同研究による利用を促進します。このような取組を通して、工学、バイオ、医学医療等の幅広い分野で先導的研究開発を推進し、さらに新たな協創を生み出します。3GeV高輝度放射光施設NanoTerasuについては、官民地域パートナーシップに基づき、地域パートナーと連携・協力しながら、その整備・運用とともに、共用促進法に基づく共用に取り組みます。
中核研究所▶ 次世代放射光施設整備開発センター、高崎量子応用研究所、関西光量子科学研究所、量子医科学研究所
関連研究所▶ QST病院、量子生命科学研究所、放射線医学研究所、那珂研究所、六ヶ所研究所
QST内外に開かれた量子ビーム施設群
次世代放射光施設整備開発センター
3GeV高輝度放射光施設NanoTerasu
2024年度からの運用開始が予定されており、放射光（X線）を活用することで、量子デバイス、クリーンエネルギー、バイオテクノロジー、食品生産など、様々な分野で、最先端学術研究から産業利用、社会課題の解決などに資する多様な測定データを生み出します。世界の同様の放射光施設と比較してコンパクトな設計ながら世界トップレベルの光源性能を発揮します。
３GeV高輝度放射光施設の整備及び利用促進
学術、産業ともに高い利用ニーズが見込まれ、我が国の産学官の研究力強化と生産性向上に貢献する3GeV高輝度放射光施設は、官民地域パートナーシップによる最先端の大型研究施設のリーディングケースとなるものです。
【国側の整備運用主体】国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
【パートナー】一般財団法人光科学イノベーションセンター（PhoSIC）・宮城県・仙台市・国立大学法人東北大学・一般社団法人東北経済連合会
高崎量子応用研究所
イオン照射研究施設TIARA
4種類のイオン加速器（AVFサイクロトロン、タンデム加速器、シングルエンド加速器、イオン注入装置）により、量子マテリアル、環境・エネルギー材料創製から、RI製造、イオンビーム育種まで多様な研究開発に対応可能なイオンの種類とエネルギー範囲を提供します。量子センシングや量子コンピュータのための単一光子源形成等の基盤技術の確立に重要なイオンビーム照射施設としても活用しています。
電子線照射施設
低線量から高線量（数kGy～MGy）までの幅広い線量範囲の電子線照射が可能な施設です。量子マテリアル創製研究に利用されており、固体量子センサ創製や要素デバイス開発のための量子ビット（NVセンター）創製にかかる量子基盤技術の中心となる施設です。
コバルト60ガンマ線照射施設
環境・エネルギー材料開発、宇宙・原子炉・核融合炉材料等の高線量率が必要な耐放射線性試験から生物突然変異育種研究に必要な低線量率までの広い線量率範囲をカバーし、大型照射容器等の常設・長時間照射が可能な６つの照射室を有する施設です。
関西光量子科学研究所（木津）
レーザー実験装置（J-KAREN-P）
世界トップレベルの集光強度で照射実験が可能な国内最高出力の超短パルス（フェムト秒）ペタワットレーザー装置です。レーザー駆動イオン加速研究、高輝度・高エネルギーX線発生等の量子ビーム源開発研究や高エネルギー宇宙物理解明のための国際共同実験等による高強度場科学研究に利用しています。
レーザー実験装置（QUADRA-T）
高繰り返し・高平均出力で世界最先端の100W級ピコ秒レーザー励起による極短赤外パルス光源装置です。超短パルスレーザーやアト秒軟X線光源などによる超高速計測を用いた量子マテリアルの創製や制御、量子生命科学への応用が期待されます。
関西光量子科学研究所（播磨）
大型放射光施設SPring-8 QST専用ビームライン
高輝度放射光硬X線を活用した非破壊オペランドでのナノ構造観察・精密磁性-電子状態分析を行う先端計測装置群です。放射光による先端分析技術により原子層一層ごとの磁気計測を実現する等、量子マテリアル・環境エネルギー材料（水素吸蔵材料）研究を推進しています。
量子医科学研究所
重粒子線がん治療関連施設
量子医科学研究所の重粒子線がん治療装置（HIMAC）は、重粒子線治療の保険診療と臨床研究を支えるとともに、様々な核種の高エネルギー重イオンビームを国内外の大学・研究機関・民間企業のユーザーに供給しています。
サイクロトロン加速器施設
サイクロトロン加速器施設は、放射性薬剤の開発・製造の基盤となっている施設です。国内外の研究機関や大学、民間企業の最先端研究開発に貢献しています。