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エネルギー再生材料プロジェクト

4. 海水中の有用希少金属吸着材

掲載日:2023年8月18日更新
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海水中の有用希少金属吸着材

 わが国を取り巻く海洋には、ウラン、バナジウムなどの有用希少金属が極微量ながら溶存しており、今も海流に乗って日本の周りを通過しています。これらの金属を捕集することができれば、現在ほとんど海外に依存している希少な金属資源を長期間安定して確保することが可能となります。

水中の有用希少金属吸着材の画像1

 特に、ウランの溶存総量は約45億トンと、陸地に埋蔵されているウランの約1000倍以上と試算されているものの、従来の技術では海水中に極微量溶存しているウランを回収することは経済的に割に合いませんでした。そこで、当プロジェクトでは、エネルギー資源であるウランの長期的安定確保を目的とし、放射線グラフト重合法によりウランを短時間で効率的に回収可能な吸着材の開発を行いました。

水中の有用希少金属吸着材の画像2

実海域試験

 作製した布状のウラン吸着材を用いて、青森県むつ関根浜沖でウラン捕集試験を行った結果、イエローケーキ換算で1kg回収することに成功しました。しかし、係留装置がとても重く、係留に掛かる費用が捕集コストの大半を占めていることが分かりました。沖縄で実証した海洋試験では、吸着材のさらなる高効率化および軽量化(低コスト化)を図り、モール状の吸着材の開発・利用を試みました。その結果、布状吸着材と比較して、3倍の吸着性能の向上(温度効果:1.5倍、形状効果:2倍)、及び、10分の1の軽量化に成功し、低コスト化を実現することができました。

実海域試験の画像