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次世代ミリ波アンテナ基板
アンテナ素材としては、誘電率が小さく電気的特性が優れたフッ素樹脂基板が理想であるが、導体パターン(一般的に銅)との接着力が低いため、これまでは導体に凹凸を付けてからフッ素樹脂基板に貼り付けてアンテナを製作していました。しかし、導体表面の凹凸による電力損失が大きいために、周波数の低い電波を使う小型船舶用レーダなどに利用が限られていました。
この問題を解決するため、当プロジェクトが長年培ってきた放射線によるグラフト重合技術を適用し、銅と相性の良い親水性基をフッ素樹脂基板に導入することで、導体表面の凹凸処理なしにアンテナ基板を開発することに成功しました。開発した基板は、電力損失が極めて少なく、かつ、金属箔との接着強度も未処理基板の2.5倍にあたる1.0 kgf/cmに向上しました。また、コスト試算の結果、この手法を用いることで、従来より2割程度安価で、かつ、高性能な小型平面ミリ波アンテナを製作できる見通しが得られました。