発表のポイント
- 室温で使える超並列計算可能な量子コンピュータや超高感度な量子センサの実現には、室温で動作するNVセンター同士の相互作用を用いる多量子ビットが不可欠です。
- NVセンター同士の相互作用を用いる多量子ビットは、10年近く2量子ビットに留まっていましたが、3量子ビットを世界で初めて実現しました。
- 長年の課題となっていた、ダイヤモンド表面の1点に3個以上の窒素を注入するために、1つの分子に複数の窒素を含む有機化合物のイオンビームを開発することで、NVセンターの多量子ビット化のブレークスルーに成功しました。
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫、以下「量研」)量子ビーム科学部門高崎量子応用研究所の春山盛善大学院課程研究員(群馬大学大学院理工学府博士後期課程学生)(研究当時)・小野田忍主幹研究員・大島武プロジェクトリーダーらは、国立大学法人群馬大学(学長 平塚浩士)大学院理工学府の花泉修教授・加田渉助教ら、早稲田大学(総長 田中愛治)理工学術院の川原田洋教授、谷井孝至教授、国立大学法人筑波大学(学長 永田恭介)磯谷順一名誉教授、国立研究開発法人物質・材料研究機構(理事長 橋本和仁)機能性材料研究拠点の寺地徳之主席研究員らとの共同研究により、室温で動作する量子ビット1)として注目されている窒素・空孔(NV)センター2)を集積し、世界で初めてNVセンターの電子スピン3)のみから成る3量子ビット化に成功しました。
量子コンピュータや量子センサ等の量子技術において重要な開発項目の一つに量子ビットがあります。ダイヤモンド中のNVセンターは代表的な量子ビットの一つです。NVセンターの数を増やせば、室温で使える超並列計算可能な量子コンピュータや超高感度な量子センサの実現に近づきます。今までに2つのNVセンターによる2量子ビットが報告されていました。しかし、10年弱にも渡りNVセンターのみによる3量子ビットへの進展がなく、新しい多量子ビットの形成技術が求められていました。全く同じ場所に3つ以上の窒素を注入できれば3量子ビット以上を実現できます。これを達成するため、複数の窒素を含む有機化合物イオンビーム注入法を開発しました。これまでは窒素原子や窒素分子を注入する技術でした。今回、窒素だけにこだわらず、窒素を含む有機化合物イオンに着目した点が3量子ビットへの進展を生みました。本研究成果は、さらなる多量子ビット化の可能性を秘めており、室温で使える超並列計算可能な量子コンピュータや量子センサの高感度化などの量子技術の進展に貢献することが期待されます。本研究成果は、Nature Communications誌のオンライン版に2019年6月13日(木)18:00に掲載されます。
1 研究の背景と目的
量子コンピュータ、量子通信、量子センサ等の量子技術は、重ね合わせや量子もつれ4)(エンタングルメント)など、私達の直感では理解できないような量子力学特有の現象を用います。通常のコンピュータで用いられるビットが0か1のどちらの状態しかとれないのに対して、量子ビットは |0> と |1> の任意の重ね合わせ状態 α|0> + β|1> (|α|2+|β|2=1, α、βは複素数)をとることができます。量子コンピュータの特殊な計算能力は量子もつれの賜物と言われています。量子コンピュータや量子通信の中継器に不可欠な量子エラー訂正5)にも量子もつれが不可欠です。量子もつれは、2個以上の量子ビットの重ね合わせ状態のうちの特別な場合です。量子もつれの生成には量子ビット間の相互作用が必要になります。
ダイヤモンド中のNVセンターは室温動作の量子ビットとして注目されてきました。NVセンターを短い距離で並べた配列は多量子ビット化の基本的な方式の一つです。この実現には、位置を制御してNVセンターを形成することが求められます。窒素イオン注入は、位置を制御してNVセンターを形成する代表的な方法として知られています。現在までに2つのNVセンターを並べた2量子ビット化が報告されているのみです。例えば、2010年にNeumannらが18 MeVの窒素原子イオン注入を用いて2つのNVセンターによる2量子ビット化を初めて報告しました[1]。また、2013年にDoldeらは1MeVの窒素原子イオンを20nmの穴の開いたマイカ越しに注入することで、2つのNVセンターによる2量子ビット化を報告しました[2]。これらの成果は複数の窒素原子イオンを狭い領域に注入することで、近接したNV-NVを形成することに成功していますが、成功率は極めて低いという問題がありました。その原因の一つは、イオン注入法では避けて通れないストラッグリング6)と呼ばれるランダムな現象にあります。例えば、窒素原子イオンのイオン注入エネルギーが10MeVであれば、注入された窒素原子イオンは、ダイヤモンド単結晶中で約1.2マイクロメートルの範囲にランダムに分布します。このことは、複数の窒素原子イオンを狭い領域に注入することに加えて、ストラッグリングを抑えないと近接するNV-NVを形成することが困難であることを意味しています。以上の理由から、近年ではストラッグリングが小さいkeV程度の低エネルギーのイオン注入が利用されるようになりました。2016年にJakobiらは、30keVの窒素原子を50nmの穴の開いたPMMAレジストマスク越しに注入し、2つのNVセンターによる2量子ビット化を成功させました[3]。この方法をナノホール注入法と呼びます。しかし、窒素「原子」イオン注入では2量子ビット化に留まっており、3量子ビット化は達成することができずにいました。一方、窒素「原子」イオン注入とは別に低エネルギー(20keV)の窒素「分子」イオン注入による2量子ビット化が2013年にYamamotoらから報告されました[4]。窒素分子はダイヤモンドに入射してから2つの窒素原子に分かれて進み、ストラッグリングによってランダムに分布します。窒素分子の場合、イオンがダイヤモンド表面に入射した時には全く同一箇所ですので、ナノホール注入法よりも近接したNV-NVを作りやすい利点があります。しかし、窒素「分子」イオン注入法を拡張した窒素「クラスター」イオンによる3量子ビット化は、窒素のみから成るクラスターの個数や電荷を制御してビームを形成することが困難であることから実現されてきませんでした。
2 研究の手法と成果
今回、研究チームは、NVセンターによる多量ビット化を進めるために窒素を複数含むイオンビーム開発に取り組みました。注目した物質は「アデニン」と呼ばれる核酸の主要な塩基として知られる有機化合物です。アデニンは、炭素(C)を5個、窒素(N)を5個、水素(H)を5個含んでいます。アデニンパウダーを圧縮固化したものをイオン源の原料として用いました。原料にセシウムイオンを衝突させ、その衝撃で原料から放出した様々な負イオン(分子)を電場でイオン源から引き出しました。通常、こうしたイオンの生成法は、セシウムイオンとの衝突で分子が分解されてしまうため、構成原子数が3個以上の分子イオンの生成には用いません。今回の論文では、量研高崎が長年取り組んできた様々な分子・クラスターイオンの生成・加速に関する研究の知識と経験を活かし、アデニンをなるべく分解させずに4個以上の窒素原子を含む有機化合物イオンとしてイオン源から引き出す条件を見出すことに成功しました。さらに、セシウムイオンとの衝突を用いないイオン源も新たに開発し、より窒素数の多い有機化合物イオンビーム形成に取り組んでいます。図1に実験の概略図を示します。磁場型質量分析器を用いて、分子の種類を調べました。アデニンから分解したCやNに混じって、有機化合物イオンの存在が確認できました。本研究では、5個のC、4個のN、1~5個のHを含む有機化合物イオン(C5N4Hn)を使用しました。
図1 イオン注入実験の模式図
アデニンをイオン源として有機化合物イオンを65keVに加速します。磁場型質量分析器によりC5N4Hnイオンのみをダイヤモンドに注入します。
図2 共焦点顕微鏡像
□はスポットに1つのNVセンター、〇はスポットに2つのNVセンター、△はスポットに3つのNVセンターが含まれていることを意味します。スポット中のNVセンターの数はODMR法にて明らかにしました。
65keVに加速したC5N4Hnイオンを108/cm2の面密度でダイヤモンドに注入し、1000℃で2時間の熱処理を行いました。熱処理後に共焦点レーザー走査型蛍光顕微鏡(Confocal Microscopy: CFM)を用いて蛍光像を観察しました(図2)。各スポットがNVセンターを示しています。□はスポットに1つのNVセンター、〇はスポットに2つのNVセンター、△はスポットに3つのNVセンターが含まれていることを意味します。〇、△、□で示したスポット中のNVセンターの数は光検出磁気共鳴(Optically Detected Magnetic Resonance:ODMR)法7)にて決定しました。蛍光スポットは光の回折限界で決められた大きさ(凡そ300nmφ)です。NV-NV-NVの3量子ビットであるためには、3組のNVペアー(3つのNVセンターをそれぞれNVA、NVB、NVCと名付た時に、NVA-NVC、NVC-NVB、NVA-NVBの3組のNVペアーができます。)の内、少なくとも2つのNVペアーでNVセンター同士の距離が数~十数nm以内でなければなりません。研究チームは、3つのNVセンター間の相互作用の強さと距離を電子電子二重共鳴(Double Electron Electron Resonance: DEER)法8)で調べました(図3)。
図3(a)にあるように、DEER法では、1つのNVセンターをセンサとして利用し、相手のNVセンターからの磁場を測定することにより、2つのNVセンター間の相互作用の強さを測定することができます。図3(b)ではNVAをセンサとしてNVA-NVC間の相互作用の強さを測定した結果です。同様に、図3(c)ではNVC-NVB、図3(d)ではNVA-NVB間の相互作用の強さを測定した結果を示しています。振動数が大きいほど相互作用が強く、NVA-NVC、NVC-NVB、NVA-NVB間の相互作用の強さは53.0kHz、24.1kHz、4.6kHzであることが観測されました。相互作用の強さからNVセンター間の距離を求めることができます。計算の結果、NVA-NVC、NVC-NVB、NVA-NVB間の距離(中央値)は8.8nm、11.5nm、19.9nmでした。以上のように、NVセンター同士は凡そ20nm以下の範囲に形成され、量子もつれ状態を作り出し得る条件を満たしていることが分かりました。
図3 電子電子二重共鳴(DEER)スペクトル
NVA-NVC、NVC-NVB、NVA-NVB間相互作用の強さはそれぞれ、53.0kHz、24.1kHz、4.6kHzでした。
3 今後の展開
本研究にて、従来手法では達成することのできなかったNVセンターの電子スピンを並べた3量子ビット化を達成しました。量子情報処理の進展のためには3量子ビット・量子レジスタ9)に留まらず、更なる多量子ビット化が求められます。今回開発したのは4つの窒素を含む有機化合物イオンビームでしたが、更に多くの窒素を含むイオンビームを開発することで、更なる多量子ビット化を目指せます。
NVセンターを用いる量子レジスタの多量子ビット化には、NVセンターを並べる方式に加えて、単一のNVセンターと結合した近傍の複数の核スピンを用いるハイブリッド型の方式があります。核スピン同士の直接的な相互作用は非常に弱いのですが、電子スピンと核スピンとの相互作用を利用して核スピンの初期化・読み出し・核スピン2量子ビットゲートの高速化ができます。Waldherrらは単一のNVセンターの窒素核スピンと2個の13C核スピンと電子スピンとのハイブリド量子レジスタを用いて核スピン3量子ビットの量子もつれの生成、量子エラー訂正アルゴリズムの実証を報告しています[5]。本研究のNVセンターの多量ビット化技術を用いれば、ハイブリッド量子レジスタの規模拡大に寄与できますし、量子センサの高感度化にもつながります。さらに、光子を用いて量子レジスタを結合する拡張方式と本研究のNVセンターの多量子ビット化技術を融合させれば、将来の量子ネットワークのノードとしての役割が期待されます。
本成果は、JSPS科研費基盤(B)17H03526 (研究代表者:小野田忍)、基盤(S)26220903(研究代表者:川原田洋)、基盤(B)15H03980(研究代表者:寺地徳之)などの援助により得られました。また、「ダイヤモンド単結晶およびその製造方法」の特許を出願しました(特願特願2018-155987)。
4 用語解説
1)量子ビット
一般のコンピュータで用いられる古典的なビットは、「0(電圧が低い状態)」か「1(電圧の高い状態)」かの2つの状態のどちらかの情報を保持しています。一方、量子ビットは、|0> と |1> に加えて、 |0> と |1> の任意の重ね合わせ状態 α|0> + β|1> (|α|2+|β|2=1, α、βは複素数)をとることができます。この重ね合わせ状態を測定すると、|α|2の確率で0、|β|2の確率で1の測定結果が得られます。
2)NVセンター
ダイヤモンド中のNVセンターは、隣接する2個の炭素原子を窒素と原子空孔のペアーが置き換えた構造で、電荷-1、電子スピン S=1 を持ちます。共焦点蛍光顕微鏡を用いれば、単一分子に相当する単一の欠陥を室温で検出でき、さらに光検出磁気共鳴を組み合わせて単一電子スピンの電子スピン共鳴スペクトルを室温で観測できます。単一 NVセンターの単一電子スピンは、室温で、光による初期化、光によるスピンを読み出し、マイクロ波パルスによるコヒーレント操作ができ、長いコヒーレンス時間をもつなど、「室温量子スピン」と呼ばれるのにふさわしい特性を持っています。
3)電子スピン
電子はスピン(S=1/2)という特性(角運動量)に由来する磁気モーメント(ミクロな磁石)が、、磁場に対して上向き(MS=-1/2)、下向き(MS=+1/2)の2つの異なるエネルギー状態をとります。スピン副準位の間の遷移やスピン操作に対する応答を観測するのが電子スピン共鳴です。この2準位系は量子ビットとして用いることができます。
4)量子もつれ
量子もつれは複数の粒子の重ね合わせ状態の特別の場合であり、量子力学的な相関をもつことから、量子コンピューティングや量子テレポーテーションなどにおいて中核的な役割を担います。2つの粒子A, Bの2量子ビット・量子もつれ状態のひとつである(|0>A|0>B+|1>A|1>B )/√2 を例にすると、一方の粒子を測定して測定結果1が得られれば、他方は1と決まってしまいます。一方の粒子を測定して0が得られれば、他方は測定しなくても0と確定します。一方の量子ビットの値は測定して初めて確定しますが、その測定をした瞬間に、他方の値も確定し、この性質は2つの粒子がどんなに離れていても成り立ちます(量子非局所性といいます)。
5)量子エラー訂正
量子もつれという量子力学特有の現象を利用し、量子ビットの中身を知ることなしに、エラーに関する情報を訂正する手法のことです。
6) ストラッグリング
イオンが物質中に入射すると、イオンはランダムな衝突を繰り返してエネルギーを失っていき、最終的に物質中で停止します。最終的な停止位置がまちまちになるという「停止位置の揺らぎ(ストラッグリング)」を持つことが知られています。
7)光検出磁気共鳴(ODMR)法
電子スピン共鳴法では、2つのスピン副準位のエネルギー差に相当する周波数(共鳴周波数)のマイクロ波(連続波またはパルス)を加えて、2つの準位の間の遷移やスピン操作に対する応答をマイクロ波領域で検出します。NVセンターに緑(532nm)レーザーを照射すると赤い蛍光を発します。スピン副準位によって蛍光強度が異なるので、マイクロ波によって引き起こされる電子スピン共鳴シグナルを蛍光強度変化として検出できることから、高感度が得られます。
8)電子電子二重共鳴(DEER)法
NVセンターは結晶中の向きによって共鳴周波数が異なるので、ペアーを構成する2つのNVセンター(NVA, NVB)を個別に操作する二重共鳴法を用いて、NVA, NVBの距離を求めることができます。NVAをスピン操作しスピンエコー生成の過程の間に、NVBの電子スピンの向きを変えるパルスを加え、その時間(図3のt1)を変化させると、NVAのエコー強度の周期的な変動が現れ、その周波数から相互作用の強さが求まります。NVAをセンサとしてNVBからの磁場を検出していることになりますが、NVAのコヒーレンスを用いることにより、線幅に隠れてしまうような弱い相互作用も引き出すことができます。
9)量子レジスタ
複数の量子ビットの配列からなり、一連のゲート操作によって量子アルゴリズムを実行できるものを量子レジスタといいます。少数量子ビットの量子レジスタは量子エラー訂正などの実験的実証として、量子コンピューティング開発へのステップとなることに加えて、量子センシングや量子中継器に活用することができます。NVセンターの量子レジスタでは、初期化や一連のゲート操作は、外部から加えるレーザーパルス、マイクロ波パルス、ラジオ波パルスで構成することができます。
5 論文について
Triple nitrogen-vacancy centre fabrication by C5N4Hn ion implantation
Moriyoshi Haruyama1,2, Shinobu Onoda2,3, Taisei Higuchi1,2, Wataru Kada1, Atsuya Chiba2, Yoshimi Hirano2, Tokuyuki Teraji4, Ryuji Igarashi3,5, Sora Kawai6, Hiroshi Kawarada6, Yu Ishii2,6, Ryosuke Fukuda2,6, Takashi Tanii6, Junichi Isoya7, Takeshi Ohshima2,3, Osamu Hanaizumi1
1 Graduate School of Science and Technology Gunma University 1-5-1 Tenjin, Kiryu Gunma 376-8515 Japan
2 Takasaki Advanced Radiation Research Institute National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology 1233 Watanuki, Takasaki Gunma 370-1292 Japan
3 Institute for Quantum Life Science National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology 4-9-1 Anagawa, Inage-ku Chiba Chiba 263-8555 Japan
4 National Institute for Materials Science 1-1 Namiki Tsukuba, Ibaraki 305-0044 Japan
5 National Institute of Radiological Sciences National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology 4-9-1 Anagawa, Inage-ku Chiba Chiba 263-8555 Japan
6 Faculty of Science and Engineering Waseda University 3-4-1 Ohkubo, Shinjuku Tokyo 169-8555 Japan
7 Faculty of Pure and Applied Sciences University of Tsukuba 1-1-1 Tennodai, Tsukuba Ibaraki 305-8573 Japan
6 参考論文
[1] P. Neumann et al., “Quantum register based on coupled electron spins in a room-temperature solid,” Nat. Phys., 6, 249 (2010).
[2] F. Dolde et al., “Room-temperature entanglement between single defect spins in diamond,” Nat. Phys., 9, 139 (2013).
[3] I. Jakobi et al., “Efficient creation of dipolar coupled nitrogen-vacancy spin qubits in diamond,” J. Phys., 752, 012001 (2016).
[4] T. Yamamoto et al., “Strongly coupled diamond spin qubits by molecular nitrogen implantation,” Phys. Rev. B, 88, 201201 (2013).
[5] G. Waldherr et al., “Quantum error correction in a solid-state hybrid spin register,” Nature, 506, 7487, 204 (2014).