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プレスリリース

群馬県オリジナルの輸出用清酒酵母ができました!~県産清酒の輸出拡大を目指します~

掲載日:2019年11月27日更新
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発表のポイント

  • 群馬産業技術センターと量子科学技術研究開発機構(量研)は、共同研究により、海外輸出に適した清酒酵母の開発に成功しました。
  • 量研が保有する材料・バイオ応用研究専用施設「TIARA」で培った育種技術により、海外輸出に適した酵母を選び出しました。
  • 新酵母は県内酒造会社での実地醸造試験の結果、十分な醸造適性があることが確認されました。
  • 群馬県の新しい酵母として、希望する県内の酒造蔵に頒布していく予定です。

 1 新酵母開発の背景と経過

(1)清酒は、地域の食文化と共に発展しており、その土地ならではの味、そして歴史がある重要な嗜好品です。各県の試験研究機関では、地域の食文化を守り、また振興するために独自の清酒酵母開発を進めています。群馬県では平成14年に県独自の清酒酵母(群馬KAZE酵母)を既に実用化しています。

(2)日本食の世界文化遺産登録や政府のクールジャパン輸出戦略の後押しもあり、清酒の海外輸出量は2000年から2015年までに2.7倍に増え、現在も毎年10%程度伸びています。このような背景から、群馬県酒造組合から「海外輸出に適した“尿素を作らない群馬KAZE酵母”にしてほしい」という要望がありました。

(3)新酵母開発の鍵となったのは、量研が保有する研究施設(TIARA)で『イオンの力』を利用した新たな育種技術です。2年間かけて試作株を作成し、さらに2年間群馬産業技術センターで試験醸造を行いました。最終的に県内酒造会社で実地醸造試験を行って実用性を検証しました。

2 新酵母の特性

(1)風味
新酵母は、従来のKAZE酵母と同等に吟醸酒の主要な成分(カプロン酸エチル)を高生産するので、フルーティーな酒質に仕上がります。

(2)尿素の生産性
新酵母は、一部の国で規制値を設けているカルバミン酸エチルの元となる尿素を生産しないことが確認されています。

3 今後の予定

群馬県オリジナルの輸出用清酒酵母として、希望する県内酒造蔵に頒布予定です。