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量子材料理論プロジェクト

第一原理計算の基礎理論および手法の開発

 本プロジェクトでは計算機を用いて固体における電子の状態をシミュレートする手法の開発に取り組んでいます。量子材料の特性を精確にシミュレートするには、電子が従う量子力学の方程式を高い精度で解く必要があります。本プロジェクトでは、密度汎関数理論などに基づく電子状態計算法の精度向上や、新奇量子状態を取り扱うための理論拡張を推進し、新たな機能材料を探索するためのシミュレーション基盤の整備を進めています。機械学習を応用した新規手法開発や、計算機の中で分子や固体の反応を調べる分子動力学シミュレーションなども行っています。​

量子材料理論P図1

量子材料の特性シミュレーション

 ダイヤモンドや炭化ケイ素などに特定の不純物(欠陥)を導入すると、光の粒子(フォトン)を一粒単位で吸収・放出する光源として働き、量子コンピュータや高感度センサーなどへ応用することができます。本プロジェクトではこのような量子材料の電子状態解析、さらには新しい量子材料の探索を行っております。​

量子材料理論P図2

量子アルゴリズムの開発

 従来型のコンピュータ(古典コンピュータ)における基本演算は四則演算である一方、量子コンピュータにおけるそれは「ユニタリ演算」と「観測」です。そのため、古典コンピュータで良いと知られているアルゴリズムがそのまま量子コンピュータでも良いパフォーマンスを出すわけではありません。本プロジェクトでは、量子コンピュータの性能を最大限に引き出すアルゴリズムの開発を行っております。特に、量子優位性を持つと期待される量子アルゴリズムの開発に取り組んでいます。​

量子材料理論P図3

量子エラー緩和/エラー訂正技術の開発

 量子デバイスの普及において、最大の難関はエラー・ノイズの制御技術です。本プロジェクトでは、エラー・ノイズの低減技術の確立を目指しております。特に、我々はノイズの影響を低減させるソフトウェアの開発に取り組んでいます。これにより、量子技術の普及を加速させていきたいと考えています。​

量子材料理論P図4