光・量子を活用したSociety 5.0実現化技術 Photonics and Quantum Technology for Society 5.0
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シンポジウム2021にお寄せいただいたご質問と回答


■質問1.​​CPSは熟練工、いわゆる匠の技をデータ化した際に後進の教育期間を短縮させる利点がある一方、問題点としてデータをどの様にプロテクトするか、さらにCPS化では情報の共有が必要であるが、共有された情報とその価値をどう守るかも重要な課題であると感じました。
 特に情報分野ではアメリカを抜いて、中国が台頭してきており、独占されかねないのではないかと、懸念を感じました。その辺りは大丈夫でしょうか?あるいはどう感じてますでしょうか?


《回答》情報を入手する理由は、次の行動のための判断材料を得ることが主目的となります。従って、例えばご指摘の中国のような国の場合は、国内の情報をなるべく多く吸い上げて全体方針を決定する一方で、市中の情報をある程度規格化・限定していくということになるかと思います。一方、米国のような国の場合は、市中に各種の情報があふれ、意図的なフェイクニュースも存在が容易であることから、それらの情報の中から、正しい行動のために判断に活用できる情報を見極める目利きが重要になります。
 工場の製造ラインやモビリティの情報管理はこれまでは、どちらかと言えば、規格化され、情報管理がされていたと思います。従って、例えばモビリティの機能安全のように、わからなければ止めるという判断が下されます。
  一方、SIP光・量子で想定している社会の全体最適化のための情報管理とは、自社内の現場や、他社の情報など種々雑多な情報を収集し、それらをAI等で分析して、フェイクニュース情報を除去し、さらに量子計算で再現性の良いモデルにまで情報価値を高めるものです。従って、ご懸念の中国をはじめこれまでの各国の情報収集活用に比べて、格段にレベルの高い判断材料を得ることができ、各国に後れを取ることがないものと考えます。
 だからこそ、そのモデルやモデルの基本となるデータは極めて価値が高くなり、それを伝送する場合の絶対的な安全性を確保する量子通信や、仮に盗まれても、絶対に復元されない量子セキュアクラウド技術の開発も、ぬかりなく進めています。