2017年4月12日(水曜日)、東京大学山上会館にて、量子科学技術研究開発機構の主催により「第1回量子生命科学研究会」が開催されました。本研究会は、最先端の量子技術あるいは量子科学の知見を総合的に利活用することにより、従来は不可能であった生命現象の予測や観察などを実現し、生命の本質に迫る学問分野として「量子生命科学」の立ち上げを目指したものです。
文部科学省からのご来賓よりご挨拶を頂戴した後、「量子技術研究者から生命科学者へのメニューの提示」、「生命科学者の関心事と量子技術研究者への注文」、「量子技術と生命科学の橋渡し:理論研究と先行的実験研究」の3つのセッションでは、各分野のトップクラスの研究者及び量研の研究者が将来の「量子生命科学」の発展につながるプレゼンテーションを行いました。
パネルディスカッションでは、「量子生命科学」における人材育成などに関する議論が展開された他、量研理事長・平野より、量子生命科学の新しい研究会を発足することも宣言されました。
量研は、今回の研究会を弾みとして、「量子生命科学」に関する研究活動を発展させて参ります。
平野理事長による開会挨拶骨子
私たちの生活には、半導体導体を利用した携帯電話やパソコン、DVDやCD、超伝導技術を利用したリニアモーターカーや核融合など、量子科学技術が広く利用され、人間が人間らしく、健康で活き活きと豊かに生活できる超スマート社会の実現に貢献しています。
そして今、最先端の量子科学技術を生命科学に応用し、命の仕組みや、光合成エネルギーなどを、量子の特性を生かした計測や観察で解明しようという流れが生まれています。それが『量子生命科学』です。
量研/QSTでは多分野の研究者が集まり、量子科学技術と生命科学・医学との融合研究の可能性を検討してきました。一方、海外でも同様の動きがあります。日本だけでなく世界的な量子生命科学の幕開けにおいて、今日この研究会を開催したことに大きな意義があります。最先端の研究の紹介や将来展望について活発にご議論いただき、生命を新しい量子の目でみる場となることを期待します。
開会挨拶をする平野理事長
会場内の様子
集合写真
パネルディスカッションの様子
※本開会挨拶の全文はこちら。
※量研/QSTでは、国内外から第一線の講演者をお呼びして、日本で初めての国際シンポジウム「量子生命科学-Quantum Life Science-」を、7月25、26日に千葉市幕張で開催します。