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反応効率の高い新しいグラフト重合反応の研究
グラフト重合技術により作製した繊維状の金属吸着材は、固体なので取り扱いが簡便であるとともに、粒状樹脂と比較して吸着速度が極めて速いという特長があります。しかしながら、これまでの有機溶媒を使用する作製方法では、多量の放射線照射が必要であるとともに廃液が多く発生し、コスト高が否めないという問題がありました。
当プロジェクトでは、有機溶媒の代わりに、石鹸の作用をもつ界面活性剤を用いて、試薬(モノマー)を水に均一に分散させることにより、グラフト重合効率が著しく向上することを見出しました。この有機溶媒を使用しない、環境にも優しい手法が「エマルショングラフト重合」であり、従来の10分の1以下の放射線量で吸着材を作製できるようになりました。このエマルショングラフト重合の利用により、グラフト重合に要する線量を低減化するだけでなく、試薬・溶媒の使用量の低減化、ならびに、反応時間の短縮化を実現したことで、製造コスト・環境負荷の軽減が可能となりました。