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温泉水中の希少金属吸着材
当プロジェクトでは、現在、日本で産出できない希少金属を温泉水から捕集し、資源化をめざす研究開発を進めています。希少金属を回収する吸着材は、放射線グラフト重合を利用し、温泉水中に溶けているスカンジウムに対して親和性の高いリン酸基を導入して作製しました。作製した吸着材を温泉水に浸漬した結果、スカンジウムを高濃度で捕集することに成功しました。
草津温泉での実証試験
希少金属を捕集する実証試験は、群馬県にある草津温泉で行いました。試験では全温泉排水量の1,000分の1を処理可能なスカンジウム捕集装置を製作し、その捕集効果を調べました。その結果、温泉水から連続的に95%以上の回収率でスカンジウムを捕集可能なことを実証しました。この装置を1,000倍にスケールアップすることにより、約200 kg/年のスカンジウムが捕集可能となります。