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エネルギー再生材料プロジェクト

企業への技術移転例4

掲載日:2023年7月20日更新
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放射性セシウム用吸着剤

 当プロジェクトでは、原子力発電所の事故により飛散した放射性セシウムを捕捉可能な吸着材の開発を進めています。我々は事故以降、僅か3ヶ月で水中に溶存する放射性セシウムを除くことが可能な材料を開発し、多くのフィールド評価からその効果を確かめてきました。特に、市販の材料では取り除くことが困難であった井戸水に溶存する放射性セシウムを飲料水基準値以下まで低減することに成功しました。

井戸水を用いた捕集性能評価

 

 また、各地で実施された除染により発生した除去物は、一時的に保管場所に置かれていますが、特に植物などの有機物を主とする除去物は、時間の経過とともにフレキシブルコンテナ(除染除去物を梱包する廃棄袋)内で発酵が進み、液体化してくるという現象が見られました。この滲出水を調べたところ、可溶性のセシウムが合計で350ベクレル溶けていました。開発した吸着材を適応すると、全て取り除くことができ、また、フミン酸等が混在することにより着色していた処理水も別途開発した除色材により排出を可能にしました。

除去物のピット水処理

 

 飲用水向け給水器の開発

 開発した放射性セシウム除去用吸着材は、被災地域の早期復興に重要な飲み水や生活用水に役立てるため、給水器の充填剤として活用できるよう改良を重ね、平成26年7月からクランセールRという商品名で販売が開始されており、現在(平成27年4月から)は被災地域の一部でお使いいただいております。

飲用水向け給水器の開発