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乳房専用PET装置「Elmammo」の研究・開発で「産学官連携功労者表彰 厚生労働大臣賞」を受賞

掲載日:2017年8月21日更新
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株式会社島津製作所と国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所、京都大学医学部附属病院は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクトのもとで連携して行った乳房専用PET装置「Elmammo(エルマンモ)」の研究・開発について、産学官連携による活動の功績が評価され、「第15回(平成29年度)産学官連携功労者表彰 厚生労働大臣賞」を受賞しました。

産学官連携功労者表彰の概要

産学官連携功労者表彰は、企業や大学、公的研究機関等の産学官連携活動において、大きな成果を収める、あるいは先導的な取組を行うなど、産学官連携活動の推進に多大な貢献をした優れた成功事例に関し、その功績を称えることで日本の産学官連携活動のさらなる進展に寄与することを目的に、内閣府が平成15年から実施しているものです。

今回の表彰内容

  • 受賞した賞:第15回(平成29年度)産学官連携功労者表彰 厚生労働大臣賞
  • 受賞案件名:乳房専用PET装置「Elmammo」の開発に係る産学官連携
  • 受賞者:国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所
     計測・線量評価部 チームリーダー 山谷泰賀
    京都大学医学部附属病院 放射線部 准教授 中本裕士
    株式会社島津製作所 基盤技術研究所 放射線技術ユニット ユニット長 北村圭司
  • 表彰式:9月1日(金曜日)13時30分~16時00分に東京ビッグサイト会議棟レセプションホールAで開催

乳房専用PET装置「Elmammo」の概要と開発の背景

乳房専用PET装置「Elmammo」は、2014年に株式会社島津製作所が製品化した装置です。被検者がうつ伏せになって検出器ホールに片胸を入れた状態でPET画像を撮像するため、マンモグラフィのような圧迫による痛みはともなわず、全身用PET装置と比較し約2倍の解像度、約10倍の感度で乳がんの検査を行うことができます。
2001年に放射線医学総合研究所(放医研)を中心として立ち上がった「次世代PETプロジェクト」において、放医研と株式会社島津製作所らは、深さ方向に4段階でガンマ線の検出位置を識別できる「4層DOI(Depth of Interaction)検出器」を開発しました。この成果をもとにして2006年度から2009年度に実施されたNEDO助成事業プロジェクト「悪性腫瘍等治療支援分子イメージング機器の開発」では、早い段階から臨床医の意見を取り入れて「4層DOI検出器」の性能が生かせる乳房専用PET装置の開発に取り組みました。NEDOプロジェクト期間中には、京都大学医学部附属病院に「分子イメージング集中研究センター」を開設して臨床研究を進め、最終的に200人を超える被検者からの意見を募りました。また、開発においては、「先端医療開発特区(スーパー特区)」の「イメージング技術が拓く革新的医療機器創出プロジェクト」も活用しました。こうした産学官連携により、女性にとって負担の少ない検査が可能な国内初の乳房専用PET装置「Elmammo」の製品化を実現しました。

左:4層DOI検出器の画像右:検出の方式の画像
左:4層DOI検出器、右:検出の方式

左:乳房専用PET装置「Elmammo」の画像右:検出器の配置と検査のイメージの画像
左:乳房専用PET装置「Elmammo」、右:検出器の配置と検査のイメージ