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プレスリリース

QSTとM42が重粒子線がん治療に関する研究で協力

掲載日:2023年7月18日更新
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国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)とアブダビを拠点とする医療技術企業M42は、重粒子線がん治療研究分野において研究協力覚書(MoC)を締結しました。岸田文雄首相のアブダビ訪問に併せて調印されたこの協定は、がん治療法の一つである重粒子線がん治療に関する研究協力を目的としています。

調印の様子

調印式の様子(令和5年7月17日(日本時間))

 

QSTは2016年に発足した国立研究開発法人で、量子材料・デバイスの創成、生命現象の解明と医学・医療への展開、エネルギー源であるフュージョンエネルギーの研究など、量子科学技術分野の研究開発に取り組んでいます。

このうち、炭素イオンを用いた重粒子線がん治療研究開発は、QSTの前身である放射線医学総合研究所が1994年から取り組んでおり、世界をリードしています。重粒子線がん治療は、エックス線やガンマ線を用いた治療に比べて、隣接する正常組織への放射線量を低減させながら、腫瘍への線量を増加させることができ、効果的ながん治療が可能なため、世界的に大きな関心を集めています。現在、世界の16施設で治療が行われており、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がんなどでその有効性が証明されています。

M42は先進技術と革新的なソリューションを取り入れた世界水準の最先端医療を提供することを目指す、アブダビを拠点とするヘルスケア企業です。

本覚書の下、両機関間の研究交流、人的交流を促進することにより、重粒子線がん治療分野における研究開発が一層進むことが期待され、今回のMoC締結へと至りました。

 

QSTの小安重夫理事長は次のように述べています: 「M42と研究協力を行うことは研究開発の普及と社会実装を推進することにつながり、研究開発法人として重要なことであると考えています。このMoCにより、重粒子線がん治療の普及が一層進み、がん死亡ゼロ健康長寿社会の実現にまた一歩近づくと思っております。」

 

M42のグループ最高経営責任者兼マネージング・ディレクターであるHasan Jasem Al Nowais殿下は、次のように述べています: 「重粒子線がん治療のリーダーであるQSTとMoCを締結できたことを光栄に思います。手を携えて協力することで、最適ながん治療を可能にし、重粒子線がん治療の臨床適用の可能性をさらに広げ、世界中で未来の医療を形作ることができると確信しています。」

 

QST

量子科学技術研究開発機構(QST)は、2016年4月に設立された国立研究開発法人で、量子材料・デバイスの創成、生命現象の解明と医学・医療への展開、エネルギー源であるフュージョンエネルギーの研究など、量子科学技術分野の研究開発に取り組んでいます。

QSTは、千葉市にある本部組織に加え、量子技術基盤研究部門、量子生命・医学部門、量子エネルギー部門の3つの研究開発部門で構成され、国内に7つの研究拠点(六ケ所、仙台、那珂、高崎、千葉、木津、播磨)を有し、それらに設置された7研究所、1センター、及び1病院において、約1300名の職員が様々な研究開発、国際プロジェクト等に取り組んでいます。

その使命は、量子科学技術等に係る研究開発を通じて、新たな価値を創造・提供し、経済・社会・環境が調和した持続可能な未来の実現に貢献することです。

 

M42

M42はアブダビを拠点とし、医療の最前線で事業を展開するグローバルなハイテク対応ヘルスケア企業である。同社は、世界で最も重大な健康・診断上の課題を解決できる革新的な臨床ソリューションを通じて、人々の生活を変革することを目指しています。ゲノミクスやAIを含む革新的なソリューション、独自の医療技術、データ中心技術を活用することで、M42は従来の医療エコシステムを変革し、最高レベルの正確で患者中心の予防医療を提供しています。

M42は世界24カ国に2万人以上の従業員と450以上の施設を有しています。G42ヘルスケアとムバダラ・ヘルスが統合して2022年に設立されたM42は、独自の医療技術やデータ中心技術を最先端の施設と融合させ、世界水準の医療を提供する世界初の統合ヘルスケア企業である。

M42は、アマナ・ヘルスケア、バイオジェニックス・ラボ、ダナット・アル・エマラット、ディアベラム、ヘルスポイント病院、ヘルスプラス専門センター・ネットワーク、ムーアフィールズ眼科病院アブダビ、インペリアル・カレッジ・ロンドン糖尿病センター、インサイツ・リサーチ・オーガニゼーション&ソリューションズ(IROS)、オミックス・センター・オブ・エクセレンス、ナショナル・リファレンス・ラボラトリーなど、幅広く医療施設網を展開しています。