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先進バイオデバイスプロジェクト

ゲル線量計の開発 - 先進バイオデバイスプロジェクト

掲載日:2023年4月1日更新
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ゲル線量計の開発

高精度放射線治療計画作製用ゲル線量計の開発

 日本人の2人に1人ががんにり患しており、がん治療技術の高度化は最重要課題です。放射線療法は、“切らずに治す”ことが可能であり、体の機能や形態を保ったまま治療を行えるという特徴があります。特に、高度放射線療法では高精度にがん患部を狙って照射するため、生体内でどのような空間分布で放射線が照射されているかを正確に知ることが非常に重要です。
 当研究プロジェクトでは、3次元の線量分布を正確に評価することを目的に植物由来のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の放射線橋かけゲルを母材とした生体等価なゲル線量計の開発を行っています。HPC水溶液に電子線を照射することで母材となるハイドロゲルを作製し、毒性の低い2-ヒドロキシエチルメタクリレートとノナエチレングリコールジメタクリレートの水溶液に浸漬することでポリマーゲル線量計を作製します。照射前の透明なゲル線量は、実際の放射線治療で適用される2Gy程度の照射ではっきりと視認できるまで白濁します。この白濁化の程度(感度)は検出液の組成により制御可能です。今後は、群馬県内の民間企業への技術移転等を通じて実用化を目指すとともに、群馬がん治療技術地域活性化総合特区などで用いられる重粒子線治療用線量計の開発も進めています。

高精度放射線治療計画作製用ゲル線量計の開発の画像