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先進バイオデバイスプロジェクト

生分解性プラスチックの架橋 - 先進バイオデバイスプロジェクト

掲載日:2023年4月1日更新
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生分解性プラスチックの架橋

生分解性ダミーレンズの開発

 植物由来プラスチックであるポリ乳酸は、カーボンニュートラルな資源循環型材料として注目されています。しかし、石油由来の汎用プラスチックに比べて加工性や耐熱性が低いため、用途が限定されています。当研究プロジェクトでは、ポリ乳酸の耐熱性改善を目的とし、研究開発に取り組んでいます。その結果、ポリ乳酸に、橋かけ助剤(3つの反応基を持つトリアリルイソシアヌレート)を数%添加することにより、数十kGyの比較的低い線量でも効果的に橋かけ反応が促進され、耐熱性が向上できることを見出しました。作製した橋かけポリ乳酸は、熱変形耐性の向上だけでなく、透明性を保持できます。この耐熱性に優れたポリ乳酸作製技術は、企業に技術移転され、眼鏡用デモレンズ(ダミーレンズ)の開発が進められています。

生分解性ダミーレンズの開発の画像

放射線実験用学校教材の開発

プレスリリース(2015年2月12日)
 これまで中学校及び高等学校で用いられてきた放射線に関する教育教材は、霧箱やシンチレーション検出器、GM計数管などの放射線を計測するものがほとんどです。しかし、我々の社会では電線ケーブルの被覆材、熱収縮チューブや自動車のラジアルタイヤの製造などの様々な産業で放射線橋かけ技術が利用され、暮らしに役立っていることから、学校の理科教育の場でも放射線の作用を見て理解できる、さらに体験できる新しい実験教材が求められています。私たちは、放射線橋かけ技術を活用し、生分解性樹脂であるポリカプロラクトン樹脂に形状記憶性を持たせた学校用実験教材を共同開発しました。この教材は、放射線橋かけを施したものと施さないものの2種類があり、放射線橋かけを施していない樹脂は60℃程度の温水中で溶けますが、放射線橋かけした樹脂は、温水中で溶けずに引っ張ると伸びて、室温では固まり、再び温水に浸けることで元の形状に戻ります。このような樹脂の溶ける様子と伸びて元に戻る様子を観察することにより、放射線の作用の一つである「放射線橋かけ技術」を安全かつ簡単に体験、理解することができます。

放射線実験用学校教材の開発の画像