現在地
Home > 研究所概要 > 関西光量子科学研究所 | 所長挨拶

研究所概要

関西光量子科学研究所 | 所長挨拶

掲載日:2024年4月1日更新
印刷用ページを表示

japaneseenglish

ご挨拶

 

量子科学技術研究開発機構(QST)は、令和5年度から新しい中長期計画に沿って研究開発を進めることになりました。これに合わせて、今までの関西光科学研究所も新しい名称「関西光量子(こうりょうし)科学研究所(関西研)」としてスタート致しました。

関西研は、世界最高性能のレーザーと放射光を駆使して最先端の量子科学技術研究を行うとともに、社会実装に向けて研究成果を産業や医療等に役立つ研究開発を進めます。関西研には、けいはんな学研都市の木津地区(京都府木津川市)にある光量子科学研究施設と播磨科学公園都市の大型放射光施設SPring-8の中の播磨地区(兵庫県佐用郡佐用町)の放射光科学センターがあります。木津地区では、世界トップクラスの高強度レーザー装置「J-KAREN-P」を始めとする最先端のレーザー技術と高度なシミュレーション計算を基盤として、物質の変化や生命現象の瞬間を捉える超高速計測技術や、イオンや電子のレーザー加速などの高強度場科学の研究を推進するとともに、非侵襲の血糖値測定、トンネルや橋梁を遠隔かつ高速に検査する技術等の身近な生活に役立つレーザー技術の開発も行なっています。また、QSTが目指す小型の重粒子線治療装置「量子メス」の開発では、民間との協力でレーザー駆動イオン入射装置の原型機を世界で初めて開発しています。播磨地区では、大型放射光施設「SPring-8」の2本の専用ビームライン(BL11XUとBL14B)において、独自に開発した最先端の材料観察・分析技術を駆使して、磁性・スピントロニクス材料等の超局所磁性を探求する研究や水素社会実現に資する新規水素貯蔵合金の創成研究などを推進しています。また、木津地区に併設されている「きっづ光科学館ふぉとん」では、将来を担う子供たちに光や量子技術について知り、体験していただくことを通じて、私たちの生活といのち、エネルギーを支える量子科学技術を身近に感じてもらうことをめざしています。

関西光量子科学研究所は、「光量子」をキーワードとして我が国の量子科学技術の発展とイノベーションの創出へ貢献する研究拠点としての役割を果たすとともに地域の皆様に愛される開かれた研究所となれるよう、職員一同、より一層努力してまいります。皆様のご理解・ご協力を宜しくお願い申し上げます。

令和6年4月1日
田中 淳(たなか あつし)
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
関西光量子科学研究所長

田中所長