現在地
Home > 関西光科学研究所 > 関西光科学研究所 | 第48回KPSIセミナー 発癌およびアテローム発生における巨大分子に対する酸化的損傷

関西光科学研究所

関西光科学研究所 | 第48回KPSIセミナー 発癌およびアテローム発生における巨大分子に対する酸化的損傷

掲載日:2019年3月13日更新
印刷用ページを表示

関西光科学研究所 >> KPSIセミナー >> 発癌およびアテローム発生における巨大分子に対する酸化的損傷

 

セミナー

第48回KPSIセミナー

発癌およびアテローム発生における巨大分子に対する酸化的損傷

 

講演者 中村 純 客員研究員
(大阪府立大学 獣医学専攻 実験動物学教室)
場所 関西光科学研究所 ITBL棟 G201号室
日時 2019年1月16日(水曜日)13時15分~
要旨 [PDFファイル/199KB]

発癌およびアテローム発生における巨大分子に対する酸化的損傷

中村 純 客員研究員
(大阪府立大学 獣医学専攻 実験動物学教室)

概要

酸化的ストレスによって誘発されるDNAおよびタンパク質損傷は、癌およびアテローム性動脈硬化症などの様々なヒトの病気と関係がある。しかし、DNA酸化生成物である8-oxodG(酸化グアニン損傷の一種)は酸化ストレスにおいて最も一般的なバイオマーカーの1つであり、強い変異原性をもっているが、発癌における8-oxodGの生物学的重要性についてはさらなる検討が必要である。予想外ではあるが、我々は、過酸化水素が複製に依存しない二重鎖切断の有意な上昇を伴って酸化クラスターDNA病変の増加を引き起こすことを明らかにした。また、過酸化水素誘導DNA修復および突然変異誘発において非相同末端結合経路が重要であることを実証した。低レベルの活性酸素種によって誘発されるこのゲノム不安定性は、慢性炎症関連障害、発癌、神経変性および老化のような広範囲のヒト疾患の病因に関与し得る。一方、DNAに加えて、タンパク質もまた酸化的ストレスの標的である。我々は最近の研究で、蛍光マロンジアルデヒド-ホルムアルデヒド(M2FA)-リジン付加物がマウスのアテローム発生の間に生成されることを見出した。M2FAは、マウスにおいてアジュバントを必要としない強い免疫原性付加体である。M2FAに対する自然抗体の抗体価は、アテローム性動脈硬化症の傾向があるマウスにおいて上昇する。我々の結果は、アテローム性動脈硬化病変において観察される1,4-ジヒドロピリジン型のリジン付加物が、内在性ホルムアルデヒドおよびマロンジアルデヒドによってリジンで生成される可能性が高いことを強く示唆している。これらの高度に蛍光性のM2FA付加物は、ヒトの炎症および変性疾患において重要な役割を果たす可能性がある。

 

[前の記事]
第47回KPSIセミナー 軟X線高分解・高回折効率ホログラフィック回折格子及びそれを応用した分光器の開発
[次の記事]
第49回KPSIセミナー 光ーナノ物質相互作用の基礎理論と計算科学的アプローチ

みなさんの声を聞かせてください

この記事の内容に満足はできましたか?
この記事は容易に見つけられましたか?

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)
Adobe Reader provided by Adobe is required to view PDF format files.