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関西光科学研究所 | 第16回KPSIセミナー 光誘起キャリアによるテラヘルツ光の相対論的ドップラー反射機構の解明

掲載日:2019年1月25日更新
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関西光科学研究所 >> KPSIセミナー >> 光誘起キャリアによるテラヘルツ光の相対論的ドップラー反射機構の解明

 

セミナー

第16回KPSIセミナー

光誘起キャリアによるテラヘルツ光の相対論的ドップラー反射機構の解明

 

講演者 河野 七瀬
(関西光科学研究所 超高速光物性研究グループ)
職位 博士研究員
場所 関西光科学研究所 ITBL棟 G201号室
日時 12月12日(月曜日)13時15分~
使用言語 日本語
要旨 [PDFファイル/301KB]

光誘起キャリアによるテラヘルツ光の相対論的ドップラー反射機構の解明

河野 七瀬
(関西光科学研究所 超高速光物性研究グループ)

概要

半導体にバンドギャップ以上のエネルギーを照射すると,その光を吸収して自由電子(キャリア)が伝導帯に励起される。キャリアは,その密度に応じた固有の周波数をもち,その周波数よりも低い周波数の光を反射する(プラズマ反射)。このプラズマ効果を利用し,近年,光誘起されたキャリアのダイナミクスを観測する手法として,“テラヘルツ時間領域分光法(THz-TDS)”が注目されている。THz光はキャリアの密度に鋭敏に応答し変化するため,光励起後の半導体にTHz光を照射し,透過もしくは反射したTHz光の波形やスペクトルを解析することで半導体内部に不均一に分布したキャリアの密度情報等を引き出すことが出来る[1]。さらに励起光とTHz光の照射時間間隔を掃引することで,キャリア密度の空間分布だけでなく時間変化も同時に計測可能である。我々は,上記の手法を用い,光励起直後の誘起キャリアダイナミクス,および,誘起キャリアとTHz光の相互作用によって引き起こされるTHz光のドップラー反射過程のメカニズム解明を目指し,実験を行った。

半導体を光励起した際,励起光はキャリアを生成しながら半導体内部へ浸透する。生成したキャリアは励起光の速度に近い速度で進行するプラズマミラーとしてふるまうため,励起光と対向にTHz光を照射すると,進行するミラーによりTHz光はドップラー反射され,高周波数シフトする[2,3]。光誘起キャリアによるTHz光のドップラー反射過程は,THz光の新たな周波数変換法となる可能性を有しており,その詳細な反射メカニズムの解明は重要な課題である。本研究では,THz-TDSを用いてドップラー反射したTHz光を観測し,プラズマミラーの振る舞い,つまり,キャリアダイナミクスとTHz光の周波数シフト量との関係性を明らかにした。また,励起光強度に伴って周波数シフト量が増加する様子を観測した。単純なドップラー反射の式では,シフト量は励起光強度に依存しないことから,本実験結果を説明するモデルの構築を行ったので報告する[4]。

 

参照:

[1] M. Tsubouchi, et al., Opt. Lett., 37, 3528 (2012).

[2] M. D. Thomson, et al., Phys. Rev. B 87, 085203 (2013).

[3] F. Meng, et al., Phys. Rev. B 90, 155207 (2014).

[4] N. Kohno, et al, Phys. Rev. B 94, 155205 (2016).

 

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