VOL.17 エネルギーについて
海外の国々では、新しいエネルギーの資源として、とうもろこしやさとうきびが使われているそうです。
核融合という新しいエネルギーを作りだそうとしている研究員さんたちはエネルギーについてどんなことを思っているのだろう?
ふと気になって、ある研究員さんにお話をきいてみました。
カナ
突然ですが今、石油などのエネルギー資源が少なくなっていて、トウモロコシやさとうきびが新たなエネルギーの資源として使われ始めていますが、未来の新しいエネルギーをつくりだす研究者さんとしては、エネルギーについてどんな考えをお持ちなのでしょうか?
研究者さん
うーむ。突然だね!そうだなぁ。
僕個人としての考えだけどね、トウモロコシはまず人間の食べ物や、牛や馬とか、動物たちの食料になっているよね。
お金をたくさん持っている人たちが、電気を作るためにどんどんトウモロコシを消費してしまったら、貧しい人たちは、ますます食べる物がなくなって、貧困が今よりもっと深刻になってしまう。
格差社会がさらに拡大してしまうのは非常に問題だよね。
食べたくても食べる事ができない人たちがたくさんたくさんいるのに、貴重な食物を燃やしてしまってエネルギーに変えてしまうのはすごくもったいない気がするな。
それから石炭も、エネルギーとして、なくてはならない資源だけど、僕はその石炭だって、何千年、何万年と長い時間をかけて自然が作りあげた、貴重な鉱物だと思うんだ。
トウモロコシも石炭や石油などの化石燃料も、エネルギーとして形を変えて消えてしまうのかと思うと、とてももったいないことだよね。
エネルギーとして使われるよりももっと価値のあるものじゃないかなと僕は思うんだ。
カナ
(なるほどー。確かにもったいないかも。)
研究者
核融合がエネルギーとして使えるようになったら、燃料は水から取り出すことができるんだ。水なら海にだってたくさんあるし、お風呂の残り湯にだって燃料がちゃんと含まれている。
世界のどこにでも存在する資源だから、エネルギーが原因で争いがおきることなんてなくなってしまうよね。
もちろんトウモロコシや化石燃料などの価値のあるエネルギー資源を燃やすことも減っていくだろうし、今よりずっと世界が平和になるんじゃないかな。
そうなる事を願って僕は研究をしているよ。
カナ
へぇ!そっかぁ!水ならたくさんあるから、エネルギーがなくなっちゃうって心配もいらないし、世界の人たちみんなが、燃料を手に入れることができるって事はすごくいいかも。トウモロコシだってエネルギーとして使われるより、みんなにおいしく食べてもらえたほうが幸せだろうし。
小麦も値上がりしていて、ケーキもたくさん食べられなくなってしまうかもしれないし。
トウモロコシとケーキを救えるのは核融合の研究者さんだ!!と思ったカナでした。