那珂研究所

那珂研究所長ご挨拶

掲載日:2021年10月1日更新
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ご挨拶

池田那珂核融合研究所所長2021
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
量子エネルギー部門 那珂研究所長
池田 佳隆

 

 那珂研究所は、量研の量子エネルギー部門に属し核融合反応によるエネルギーから電力を生み出す装置の研究開発を行っています。

 

 茨城県那珂市の地で、那珂研究所の整備が始まったのは古く、昭和54年(1979年)です。我が国のプロジェクトとして臨界プラズマ試験装置JT-60が建設され、昭和60年(1985年)4月の実験開始に合わせて研究所が発足し、今年度で36年目となりました。核融合反応は、太陽などの恒星の中で起こっている反応です。核融合エネルギーは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しない、容易に反応を止められるので安全性に優れている、燃料が枯渇することのない重水素である等の特長を備えており、未来を切り拓くエネルギー源といえます。

 

 現在、50万キロワットの核融合エネルギーの発生を世界で初めて実証するため、日本、欧州、アメリカ、ロシア、韓国、中国、インドが共同で「核融合実験炉イーター(ITER)」を建設する国際プロジェクト「イーター計画」がフランスにおいて進行中です。量研那珂研究所は、我が国の国内機関として主要機器の調達を担当しています。具体的には、イーターの心臓部を構成する超伝導コイル等の最先端機器の製作を、我が国の産業界の持つ技術力を統合する体制で進めており、超伝導トロイダル磁場コイルの初号機は、令和2年(2020年)4月にイーター建設サイトに到着し、現地での組立が開始されました。また、イーター計画の実施主体である国際機関「イーター機構」への人的貢献も行っています。

 

 一方、イーター計画を支援するとともに、イーター計画の次段階として核融合による発電を初めて実証する「核融合原型炉」の早期実現に貢献する日欧協力活動「核融合エネルギー研究分野における幅広いアプローチ(BA)活動」を、我が国の実施機関として推進しています。BA活動は3つのプロジェクトがあり、2つは青森県にある量研の六ヶ所研究所で行い、もう1つが当研究所で進めているサテライト・トカマクJT-60SAプロジェクトです。JT-60SAは、イーターのほぼ半分のサイズで、現時点で世界最大の超伝導核融合実験装置です。

 

 本体組立は完了し、現在、装置の試験運転を行っております。JT-60SAは、イーターに比べ、幅広くプラズマ形状を制御できるよう設計しており、イーターと相似形プラズマではイーターを先導する実験を行うとともに、プラズマ形状を幅広く調べることで、核融合原型炉に向けた高性能プラズマを実現したいと考えています。

 

 那珂研究所は、イーター計画及びBA活動を推進し、六ヶ所研究所とともに、将来に向かって引き続き核融合エネルギーの国際的総合研究開発拠点としての役割を果たしていきます。

 

 今後とも、皆様のご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。