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プレスリリース

日本電信電話株式会社と国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 連携協力協定の締結について

掲載日:2020年11月6日更新
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 日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:澤田 純、以下「NTT」)と国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(本部:千葉県千葉市、理事長:平野 俊夫、以下「量研」)は、連携協力協定を締結し、今後、共同研究等を通じて、世界に先駆けた革新的な環境エネルギー技術の創出をめざします。

1.背景

 NTTでは、次世代の圧倒的にクリーンなエネルギーの活用、および環境負荷低減への事業活動の推進により、お客さま・企業・社会の環境負荷低減に貢献することで、「環境負荷ゼロ」を目標とし、その中でもIOWN(※1)構想における光関連技術の核融合研究開発への適用をめざしています。

 他方、量研は、実施機関としてイーター(※2)計画への参加、臨界プラズマ試験装置JT-60(※3)の運用やプラズマ予測・解析のための理論・シミュレーション研究および核融合原型炉(※4)に向けた研究開発を通し、核融合エネルギー実現のための総合的な研究開発を進めてきました。

本連携協力により、NTTと量研は、今後、核融合エネルギーの実現に向けた光関連研究開発を国内で立ち上げ、共同研究等に取り組むことで、「革新的な環境エネルギー技術の創出」を加速してまいります。また、その研究成果をイーター計画等をはじめ世界へ展開できるよう積極的に取り組んでまいります。

核融合プラズマ実験炉 JT-60SA

核融合プラズマ実験炉 JT-60SA

(量研 那珂核融合研究所)

 

核融合原型炉(設計イメージ)核融合原型炉(設計イメージ)

              (量研 六ヶ所核融合研究所)

スーパーコンピューターJFRS-1(六ちゃん2)

スーパーコンピューターJFRS-1(六ちゃんII)

(量研 六ヶ所核融合研究所)

2.内容

 本協力連携協定の下、以下の領域で連携してまいります。

  • 光・デジタル技術と核融合エネルギー技術の融合による革新的なネットワーク技術に関すること。
  • 革新的な光・デジタル技術による新しい核融合エネルギー分野の開拓に関すること。

 

 また相互の研究協力により、量研が目標とする以下の核融合研究開発課題の解決に向けて、NTTが持つIOWN関連技術を適用することに取り組んでいきます 。

  • 核融合炉からの膨大な観測データをリアルタイムに収集、分析可能なネットワーク、コンピューティングインフラの実現方式とこれを活用する高度な核融合炉制御方式
  • 現実世界の核融合炉をサイバー空間上にリアルに再現する新たなシミュレーション方式とそのシミュレーション方式を駆使したプラズマ予測制御方式

 核融合エネルギーの早期実現に向けて、量研が培ってきた実験研究、理論/モデリング研究の成果を活かすとともに、共同研究を通じ、イーター計画、2020年に初期運転が開始されたJT-60SA計画(※5)、核融合原型炉開発など、世界最先端の核融合研究へ貢献していきます。

3.両代表からのコメント

 「今回の連携により、量研と共に、日本発で核融合エネルギーの実証に貢献し、世界にその技術を展開できるよう取り組んでまいります。そのためにも、その研究開発を世界でもリードする量研に対して、NTTが持つIOWNをはじめとする先進的な研究開発の取り組みで貢献していきます。また今回の共同研究で培えるであろう大容量データの超高速処理・転送などの検討成果を、リアルタイム制御によるサイバーフィジカルシステム連携のユースケースとして、今後他産業へ展開していきます。」

NTT 代表取締役社長 澤田 純

「NTTとの連携により、NTTの強みである最先端の光・情報技術と量研の有する最新の核融合研究開発に関する知見や技術を融合させ、核融合炉の性能を左右する炉心プラズマ予測制御を実現したより高度な核融合制御技術を確立していくとともに、核融合炉で生成される大規模データの取扱い技術の開発を効率的に進め、人類究極のエネルギー源である核融合エネルギーの早期実現をめざします。」

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 理事長 平野 俊夫

 

両代表

(左)  NTT 代表取締役社長 澤田 純

(右)  量研 理事長 平野 俊夫

 

 

〇 用語説明

(*1) IOWN

 IOWN(アイオン:Innovative Optical and Wireless Network)は、スマートな世界を実現する、最先端の光関連技術及び情報処理技術を活用した未来のコミュニケーション基盤です。 https://www.rd.ntt/iown/

(*2) イーター(ITER)

 制御された核融合プラズマの維持と長時間燃焼によって核融合の科学的及び技術的実現性の確立を目指すトカマク型(超高温プラズマの磁場閉じ込め方式の一つ)の核融合実験炉です。1988年に日本・欧州・米国・ロシアが共同設計を開始し、2007年には日本、欧州、米国、ロシア、中国、韓国、インドが「イーター協定」を締結して、国際機関「イーター国際核融合エネルギー機構(イーター機構)」が発足しました。現在、サイトがあるフランスのサン・ポール・レ・デュランスにおいて、イーターが格納される建屋の建設が進められているとともに、各極において、それぞれが調達を担当する様々なイーター構成機器の製作が進められており、2025年頃からのプラズマ実験の開始を目指しています。イーターでは、重水素と三重水素を燃料とする本格的な核融合による燃焼が行われ、核融合出力500MW、エネルギー増倍率10を目標としています。

 イーター計画に関するURL  http://www.fusion.qst.go.jp/ITER/index.html(日本語)
 イーター機構のURL http://www.iter.org/(英語)

イーターサイト及びイーター本体の鳥瞰図 (提供 : イーター機構)

イーターサイト及びイーター本体の鳥瞰図 (提供 : イーター機構)

(*3) 臨界プラズマ試験装置JT-60

 日本原子力研究所 那珂研究所(現 量研 那珂核融合研究所)に作られたトカマク型のプラズマ実験装置であり、現在はJT-60SA(*5)へ改修された。1985年に運転を開始し2008年に停止するまで世界最高水準の運転性能を発揮し、人類が地球上で達成した世界最高温度5.2億度が当時のギネスブックに登録されるなど、数多くの世界的な研究成果を生んだ。

(*4) 核融合原型炉

 核融合反応は、太陽が光輝きエネルギーを放射している原理であり、現在の核融合研究では、燃料として水素の同位体である重水素と三重水素(トリチウム)を用います。核融合炉では、この重水素と三重水素の原子核を融合させる際に生じるエネルギーを利用して発電を行います。核融合原型炉は、この核融合を用いた発電炉の技術的な実証と経済的な実現性を明らかにするためのものです。

(*5) JT-60SA計画

 幅広いアプローチ活動として日欧共同で実施するサテライト・トカマク計画と我が国で検討を進めてきたトカマク国内重点化装置計画の合同計画であり、JT-60SAは茨城県那珂市の量研那珂核融合研究所で2020年に初期運転が開始された超伝導トカマク装置です。
URL:https://www.qst.go.jp/site/jt60/5150.html(日本語)

 

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