平成29年5月23日(火曜日)に日本科学未来館(東京・台場)にて、「次世代MRI・造影剤」キックオフ国際シンポジウムを開催し、企業の方を中心に、研究者や政策関係者など総数約140名にご参加いただきました。
シンポジウムでは、量子科学技術研究開発機構が開始した「量子イメージング創薬アライアンス」の枠組みのもと、放射線医学総合研究所が中心となって運営する、次世代MRI・造影剤開発に関するプロジェクトなど量研での取り組みを紹介しました。
基調講演では、Peter Caravan博士(アメリカ・ハーバードメディカルスクール)、Silvio Aime博士(イタリア・トリノ大学)、Horacio Cabral博士(東京大学)から、標的性や環境応答性などの機能を有するMRI造影剤の研究開発について最新の知見や世界の動向についてご講演いただきました。また、国内の気鋭の研究者を多数招き、「低分子MRI造影剤開発の最先端」や、「光と磁気による量子イメージング」、「異分野連携によるイノベーション創出」をテーマにしたセッションも行いました。
総括トークでは、様々な研究分野の研究者がそれぞれのアイデアを持ち寄り、さらには企業からビジネスにつながるニーズを得て、産官学の協力による次世代MRI造影剤開発というイノベーション創出の取り組みが開始されたことに対する期待の声が寄せられました。その一方で、アライアンス事業では社会実装がキーワードとなるので、研究者だけでなく国としての取り組みが必要であることや、社会実装一辺倒ではなく基礎研究による新知見や新技術の創出を並行して推進しなければ、その持続性に将来的な懸念が生じる、という意見もいただきました。会場からもご意見、ご質問をいただき、今後のアライアンスの方向性を見出す有意義なシンポジウムとなりました。
放医研では、アライアンス事業の基、次世代MRI・造影剤のプロジェクトの取り組みを加速していきます。多くの皆様のご参加、誠にありがとうございました。
シンポジウム会場
開会挨拶(平野俊夫 量研理事長)
総括トークの模様