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放医研の重粒子線がん治療 千葉県内の登録患者数が、延べ1,200名に到達

掲載日:2018年12月26日更新
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概要

独立行政法人放射線医学総合研究所(米倉 義晴理事長)重粒子医科学センターの辻井 博彦センター長は、同センターが実施している重粒子線がん治療を受けた千葉県内の登録患者数が、1,200名の大台に達したことを発表しました。

重粒子線がん治療装置(HIMAC)を用いて1994年6月より開始された重粒子線がん治療の登録患者数は、2005年度(2006年2月末)を以って2,629名に達していましたが、以後も順当に進捗し、2007年2月末現在、延べ3,178名の登録患者数に到達しています。中でも、千葉県在住のこれまでの登録患者数が、延べ1,200名(全登録患者数の37%以上)に達することは、千葉市稲毛区に立地する放医研の重粒子医科学センター病院が、県民に密着したがん治療施設として重要な役割を担っていることを示しています。

重粒子線がん治療は、なんらかの理由で手術の困難ながんや、従来の方法では治療が難しいがんの治療法として優れた治療成績を上げています。2003年11月からは、厚生労働省承認による先進医療としての治療を開始し、千葉県内の先進医療登録患者数は、既に263名に達しています。

先に閣議決定された「がん対策推進基本計画」においては、放射線療法の推進が、重要項目として掲げられています。放射線医学総合研究所は、我が国の放射線治療研究の最先端を行く機関の一つとして重粒子線がん治療を推進すると同時に、千葉県がんセンター、千葉大学医学部、国立がんセンター東病院等と連携して、千葉県を中心とした地域の医療施設としても貢献して行きます。

背景と今後の展開

がんの撲滅は、国民共通の課題であることは言うまでもありません。政府は、6月15日、「75歳未満のがん死亡率を10年以内に20%減らす」「患者・家族の苦痛を軽減して生活の質を上げる」を2本柱とするがん対策推進基本計画を閣議決定しました。同計画では、特に放射線療法、化学療法の拡充に向けた施策が掲げられ、全国どこでも一定水準の治療を受けられることを目指しています。また、各都道府県では、これを基にした地域の計画作りを始めることとなっています。

放射線医学総合研究所が、重粒子線がん治療装置(HIMAC)を用いて1994年6月から開始した重粒子線治療は、治療効果が高いばかりでなく、「痛み」を伴わず、緩和ケアとしても優れた特性を持つ「人に優しい」治療法として高く評価されており、国内各地において治療施設の建設計画が進行しています。

こうした中、千葉市稲毛区の放医研・重粒子医科学センター病院の存在により、千葉県は県内に放射線治療の最先端医療施設を当初から備えており、「がん対策推進基本計画」の推進について大きな優位性を持つと考えられます。

参考

放医研における重粒子線治療の登録患者数推移
(図1)放医研における重粒子線治療の登録患者数推移

千葉県における重粒子線治療の登録患者数推移
(図2)千葉県における重粒子線治療の登録患者数推移

放医研における重粒子線治療の都道府県別登録患者数
(図3)放医研における重粒子線治療の都道府県別登録患者数

千葉県在住者の部位別登録患者数
(図4)千葉県在住者の部位別登録患者数

放医研における重粒子線治療の部位別登録患者数
(図5)放医研における重粒子線治療の部位別登録患者数

本件に関する問い合わせ先

独立行政法人 放射線医学総合研究所 企画部 広報室
Tel:043-206-3026
Fax:043-206-4062
E-mail:info@nirs.go.jp