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千葉地区共通情報

IAEA協働センター放医研で重粒子線がん治療に係る国際ワークショップを開催

掲載日:2018年12月26日更新
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IAEA協働センター放医研で重粒子線がん治療※1に係る国際ワークショップを開催
-IAEA加盟国アジア・太平洋地域4カ国の研究者の技術向上を支援-

2012年7月2日10時
独立行政法人 放射線医学総合研究所

概要

 重粒子線によるがん治療は、その有用性から急速に世界に普及しつつあり、アジア地域でも既に中国が治療を開始し、更なる建設が検討されている状況となっています。このような中で重粒子線がん治療の専門家育成は重要な課題です。
 独立行政法人放射線医学総合研究所(以下、放医研)の重粒子医科学センターは、重粒子線がん治療を国内外に普及するという中期目標、及び国際原子力機関(IAEA)※2協働センター(以下、IAEA-CC)※3の活動の一つとしてアジア・太平洋地域における優れた重粒子線がん治療の専門家の育成のために、7月3日から14日までの日程で、若手の研究・技術者を対象とした重粒子線がん治療にかかる国際ワークショップを開催します。
 本ワークショップの演者は、当センターで活躍中の医療関係者・研究者およびIAEAの放射線医科学の専門家が務めます。また、受講者は、参加各国において推薦を受けIAEAにより承認された今後の重粒子線がん治療技術の先導者となるべき人材です。
 放医研は、設立当初から放射線を積極的に利用する医学応用の研究を推進し、放射線医学におけるがん治療について成果を挙げてきました。1994年から開始した放医研の重粒子線がん治療は、2012年までに、6000人以上の患者を治療し、良好な成績を上げています。放医研は、世界を先導する日本の技術・経験を世界に伝えるということを国際貢献のひとつとして、また、IAEAががん対策を優先課題としていることから日本唯一のIAEA-CCの責務として、今後もこのような普及活動に取組んでいく所存です。

用語解説

※1 重粒子線がん治療

 重粒子線とはヘリウム以上の重さを持つ元素をイオン化し、それを加速器で高速に加速して作られる放射線の一種。放射線医学総合研究所では炭素イオンを加速して重粒子線(炭素線)としています。このプレスリリースでは、「重粒子線」は「炭素線」を示します。この放射線を利用してがん治療を行うことを「重粒子線がん治療」と呼び、日本では、一部のがんに対して先進医療として認められています。最近、肺がんの一回照射や膵臓がんの抗がん剤との併用治療が先進医療として認められ、対象となるがんの拡大が図られています。
 なお、日本国内における重粒子線がん治療装置は下表の通りの状況です。

千葉県千葉市 放射線医学総合研究所 運転中
兵庫県たつの市 兵庫県立粒子線医療センター 運転中
群馬県前橋市 群馬大学重粒子線医学センター 運転中
佐賀県鳥栖市 九州国際重粒子線がん治療センター 2013年春治療開始予定
神奈川県横浜市 神奈川県立病院機構 2015年治療開始予定

※2 国際原子力機関(IAEA)

 ウイーンに本部を持つ国連関連機関で、1957年に設立されました。原子力の平和的利用を促進するとともに、原子力が平和的利用から軍事的利用に転用されることを防止することを目的に作られ、その使命は、核科学と技術の平和利用を推進することと、原子力安全の基準を策定し高いレベルの安全を維持すること、核不拡散条約の履行を確認し、核物質と施設が平和目的にのみ利用されることを確認することです。IAEAはエネルギー以外の分野もとても重要視しており、現在はがん対策も優先課題としています。現在154ヶ国が加盟しています。

※3 IAEA協働センター(IAEA Collaborating Centre:IAEA-CC)

 IAEAの事務局次長が指定し、IAEAが計画を遂行することを支援する施設と定義されています。放医研は、2006年から「低線量放射線の生物影響」の分野で、2009年12月に「低線量放射線の生物影響」、「重粒子がん治療」、「分子イメージング」の3研究分野で、IAEA-CCの指定を受けました。

プレスリリースのお問い合わせ

ご意見やご質問は下記の連絡先までお問い合わせください。

独立行政法人 放射線医学総合研究所 企画部 広報課
Tel:043-206-3026
Fax:043-206-4062

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