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高度被ばく医療線量評価棟の落成式典を開催

掲載日:2021年5月25日更新
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QSTが基幹高度被ばく医療支援センターとして国の被ばく医療の中心的・先導的な役割を果たしていくための新しい拠点「高度被ばく医療線量評価棟」が完成し、5/25に落成式典を開催しました。

高度被ばく医療線量評価棟

高度被ばく医療線量評価棟

QSTは、原子力規制委員会から「高度被ばく医療支援センター」に指定されています。さらに、2019年4月からは、国内の五つの高度被ばく医療支援センター(弘前大学、福島県立医科大学、QST、広島大学、長崎大学)の中で中心的・先導的な役割を担う「基幹高度被ばく医療支援センター」の指定を受け、被ばく医療の中核として活動しています。

千葉地区に完成した新施設には、統合型ホールボディカウンタ(体内の放射性物質からの放射線を体外から計測する装置)をはじめ、最新の計測機器や分析装置を導入。放射線事故発生の際、バイオアッセイ(生体試料に含まれる放射性物質の測定)も本施設に集約することで、線量評価を効果的・効率的に実施できるようになります。

統合型体外計測装置(肺モニタ)

統合型体外計測装置(肺モニタ)

また、このための分析技術・線量評価技術の高度化や、線量評価の知識と技術を持って被ばく医療を支える医師や看護師、研究者及び技術者といった人材の育成も、強力に推進することができるようになります。

新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて、式典はオンラインで開催しました。原子力規制委員会の更田豊志 委員長、内閣府の佐藤暁 大臣官房審議官(原子力防災担当)、文部科学省の板倉康洋 科学技術・学術政策局長らに来賓としてご参加いただきました。除幕式は本式典に先立つ5/19にQST幹部によって行いました。

除幕式

5/19に行った除幕式

式典の冒頭、QST理事長の平野俊夫は、日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(当時)で2017年に発生した内部被ばく事故を契機に出た機器の老朽化、バイオアッセイを行う技能者の不足などの課題に対応すべく建設されたことや、QSTの前身の放射線医学総合研究所が米国の水爆実験に第五福竜丸が巻き込まれた1954年の「ビキニ事件」をきっかけに発足した経緯などに触れ、「いつ発生するか分からない放射線事故に対して高いモチベーションを維持し、中核機関として努力していく」と決意を述べました。

平野理事長

落成式典であいさつする平野俊夫QST理事長