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量子ビーム科学部門

量子科学技術でつくる未来 全自動インフラ検査(連載記事 全3回)

掲載日:2022年6月9日更新
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連載企画「量子科学技術でつくる未来」(第46回ー第48回)について

量子科学技術研究開発機構が進める事業や研究開発を広く一般の方にご紹介するため、2021年5月から日刊工業新聞の「科学技術・大学」面にて毎週木曜日に「量子科学技術でつくる未来」を連載しています。

全自動インフラ検査技術に関する連載(第46回ー第48回)では、高出力レーザー研究の応用として、「現場」で使えるレーザー装置の開発や、それを使った屋外での実証試験に向けたレーザー打音試験について紹介しています。記事内容を掲載しますので、ぜひご覧ください。

その他の連載については、以下をご覧ください
核融合発電に関する連載(第1回ー第21回)
超省エネスマホに関する連載(第22回ー第28回)
量子メスに関する連載(第29回-第38回)
標的アイソトープ治療に関する連載(第39回-第45回)
 

※新聞掲載版は各リンク先(日刊工業新聞HP)をご参照ください。

※日刊工業新聞社の承諾を得て掲載しております。
※新聞連載記事とは内容が一部異なる場合があります。

全自動インフラ検査 第3回
レーザー打音検査進化

トンネル内におけるレーザー打音検査 量子科学技術研究開発機構(QST)が開発を進める「レーザー打音検査装置」の将来のユーザーは、トンネルの管理者や検査を実施する検査会社である。昨今のインフラの高経年化などの問題を受けて「インフラの安全性点検業務への新技術導入」に対するユーザーの関心は高い。

 レーザー打音検査の原理は検査員によるハンマーを用いた打音検査と同じで、高強度のパルスレーザーでコンクリートに振動を与え、別のレーザーでその振動を計測し、内部欠陥を検知する。レーザー打音検査は、定量的なデータに基づく判定が可能なことがメリットだが、インフラ点検を担う検査装置として認められ、社会実装するためには、検査員のハンマーによる検査と同等以上の欠陥検知が可能であることを実際の現場で示す必要があった。​​→続き

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学部門 関西光科学研究所 X線レーザー研究グループ 主幹研究員 長谷川 登(はせがわ・のぼる)

■日刊工業新聞 2022年6月9日(連載第48回) レーザー打音検査進化

全自動インフラ検査 第2回
高強度レーザーを屋外稼働

屋外レーザー装置 道路トンネルの覆工コンクリートのレーザー打音検査の実現には「高強度レーザーを屋外稼働させる」という難題を解決する必要があった。レーザー加工機やレーシックなどは屋内でのレーザー技術の社会実装の成功例だが、屋外稼働する高強度レーザーに関する研究開発の情報は皆無であり、その難題解決は、研究環境が実験室のクリーンルームである研究者にとって無謀なチャレンジだった。​

 量子科学技術研究開発機構(QST)では、新たなチャレンジとして、屋外での高出力レーザーの稼働経験を得るために、QST関西光科学研究所敷地内に設営した大型テント内でレーザー打音装置を約2カ月間稼働させた。この屋外試験に対して、実験室と何ら変わらないと酷評を受けたが、温度・湿度などの環境情報や、振動・騒音から装置を守る防振・防音機構の検証データなど、実験室内では取得できない貴重な経験とデータを得た。​​→続き

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学部門 関西光科学研究所 装置・運転管理室 主幹技術員 岡田 大(おかだ・はじめ)

■日刊工業新聞 2022年6月2日(連載第47回) 高強度レーザーを屋外稼働

全自動インフラ検査 第1回
レーザーでハンマー代替

レーザーアブレーションによる振動発生 トンネルや橋などの現代社会を支えるインフラ内部の健全性の点検は、熟練点検技術者がハンマーで壁面を叩(たた)き、その音の違いを聞く打音検査によって行われている。しかし、戦後、急激に整備が進んだこれらのインフラは、50年が経過した今日、高経年化を一斉に迎え、構造体の劣化に点検と補修が追いつかなくなり、事故発生リスクの拡大が予測される。

 こうした社会背景を踏まえ、量子科学技術研究開発機構(QST)では、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」で、先端レーザー技術を用いた点検・モニタリング・診断技術の研究開発を、理化学研究所、レーザー技術総合研究所などと産学官の枠組みで実施してきた。​​→続き

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学部門 研究企画部 研究統括 錦野 将元(にしきの・まさはる)

■日刊工業新聞 2022年5月26日(連載第46回) レーザーでハンマー代替