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先進バイオデバイスプロジェクト

生分解性プラスチックの微細加工 - 先進バイオデバイスプロジェクト

掲載日:2023年4月1日更新
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生分解性プラスチックの微細加工

ポリ乳酸の微細加工・改質技術の開発発

先端医療分野では、微細加工技術の利用によりカプセル型内視鏡や体内埋め込み式のヘルスモニターなどのマイクロマシンや、血液1滴での病気診断や細胞応答を分析可能なラボチップなどが開発されています。こうした医療用デバイスの開発には、マイクロ/ナノメートルの精密な微細加工技術に加え、細胞接着性をはじめとする特定の機能を制御した生体親和材料の創製が重要です。生体適合性の高いポリ乳酸は、縫合糸やインプラントなどに使われています。当研究プロジェクトでは、ポリ乳酸のフィルムに直径50nm以下に絞った30keVのガリウムイオンビームを照射し、微小領域の加工及び改質を行いました。ガラス転移温度(約60℃)以上で熱変形しやすいポリ乳酸フィルムの作製及び照射条件を最適化することで直径80nmの穴や幅60nmの溝、突起構造や文字列など任意の形状で精密に加工が出来るようになりました。さらに、加工した溝の底面は炭素の二重結合(C=C)が増加しダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)様に変化していることを明らかにしました。DLC様の表面はC=Cの量によって細胞接着性の強弱が変わることが報告されており、本研究プロジェクトで得られた微細加工体は、局所的に細胞接着性を制御できるバイオデバイスとしての応用が期待されます。

ポリ乳酸の微細加工・改質技術の開発発の画像