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プロジェクト「EUV超微細加工研究」

研究課題-EUV超微細加工研究

掲載日:2019年9月25日更新
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1. 量子ビームを使った放射線還元によるメタルレジストの合成

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 レジストに露光する光の波長が短いほど、より細かなパターンを描くことができます。そのため、露光に用いる波長はどんどん短波長化が進んできました。これまでは波長193nm (1ナノメートルは10億分の1メートル)のArFエキシマレーザー(紫外光)が用いられてきましたが、更に微細化するためより波長の短い13.5nmの極端紫外光(EUV)を使用する方向で技術開発が進んでいます。
 EUVは、これまでの紫外光とエネルギーの吸収効率等が異なるため、EUV露光に適したレジスト材料を新たに開発する必要があります。現在、メタルレジストがエッチング耐性や解像性という観点から有力視されています。高崎研のガンマ線照射施設を利用してメタルレジストの合成し、量産レベルで10nmのパターン形成できる新規レジスト材料の開発に取り組んでいます。

2. 短パルスEUVの照射効果の研究

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関西光科学研究所が所有するEUV波長領域(13.9 nm)のレーザーを用いてレジスト材料中の化学反応の研究を行っています。このEUVレーザーは10ピコ秒(1000億分の1秒)以内という非常に短い時間だけ光る「短パルス」のレーザーです。この「短パルス」だからこそ起こる化学変化について研究しています。
関西光科学研究所で照射したサンプルを高崎量子応用研究所に持ち帰り、原子間力顕微鏡での観察やX線光電子分光での構造解析などを行っており、プロジェクトEUV超微細加工研究の拠点横断的な研究環境を活かして研究を推進しています。

3. トップダウン・ボトムアップ融合型の微細加工技術の創成

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 ブロック共重合体のミクロ相分離を生じるという自己組織化する優れた点と量子ビームの極めて微小な領域にエネルギーを付与できるという優れた点を融合することによって、トップダウン・ボトムアップ融合型の微細化技術の実現することで、5 nm未満の微細加工技術の開発に挑戦しています。

 可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合でよりポリマーの分子量分布の狭いブロック共重体を合成し、5nm未満のナノスケールでも規則的な構造を形成する新規微細加工材料(ブロック共重合体)の開発を行っています。また、TEM等では観測しづらい超微細パターンを量子ビーム(X線小角散乱等)による構造解析することに挑戦しています。