関西光科学研究所 >> プレス発表 >> ダークマグマ:マントルの底のマグマは「暗かった」―巨大高温マントル上昇流発生機構解明に大きな手掛かり―
プレス発表
平成26年11月12日
国立大学法人東北大学大学院理学研究科
独立行政法人日本原子力研究開発機構
公益財団法人高輝度光科学研究センター
東北大学大学院理学研究科の村上 元彦准教授は、米国カーネギー研究所のアレキサンダー・ゴンチャロフ主任研究員、高輝度光科学研究センターの平尾 直久研究員、日本原子力研究開発機構の増田 亮博士研究員(現 京大原子炉実験所)、三井 隆也主任研究員、米国ネバダ大学のシルビアモニク・トーマス博士研究員、米国ノースウェスタン大学のクレイグ・ビーナ教授との共同研究で、地球内部のマグマが深くなればなるほどその色は「暗く」なり、従来予想されていたよりもずっと熱を伝えにくくなることを世界で初めて明らかにし、マントルの底にごくわずかに存在するとされる重いマグマが、マントル底部に根っこを持つ巨大な高温マントル上昇流(スーパーホットプルーム)の発生メカニズムに極めて重要な役割を果たしていることを突き止めました。この結果は、これまで地球科学の大きな謎であった、核からマントルへの熱輸送特性の解明、スーパーホットプルームの発生機構解明、ひいてはマントル対流の様式と要因に迫るもので、四十六億年の地球の進化史を理解するうえで非常に重要な成果であるといえます。
この成果は11月11日発行の英科学誌『Nature Communications』に掲載されました。
詳細は下記をご参照ください。(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構のサイトへリンク)
[前の記事]
福島の土壌が僅かなセシウムの取り込みにより多量のセシウムを呼び込むメカニズムを解明 ―放射性セシウムが吸着した粘土鉱物のミクロな構造変化―
[次の記事]
レーザー加工時の金属の溶融・凝固の様子の観察に世界で初めて成功 ~戦略的イノベーション創造プログラム (SIP) 推進で成果活用へ~