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関西光科学研究所 | 【現地及びweb開催】第85回KPSIセミナー バルク超伝導体の新しい応用 ー遮蔽電流制御による高度な磁場分布デザインー

掲載日:2022年1月7日更新
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関西光科学研究所 >> KPSIセミナー >> バルク超伝導体の新しい応用 ー遮蔽電流制御による高度な磁場分布デザインー

セミナー

第85回KPSIセミナー(現地及びweb開催)

バルク超伝導体の新しい応用 ー遮蔽電流制御による高度な磁場分布デザインー

 

講演者 紀井 俊輝 京都大学エネルギー理工学研究所准教授
日時 2022年1月20日(木曜日)11時00分~
会場 A119室(およびオンライン)
使用言語 日本語
要旨 [PDFファイル/245KB]

バルク超伝導体の新しい応用 ー遮蔽電流制御による高度な磁場分布デザインー

紀井 俊輝 京都大学エネルギー理工学研究所准教授

概要

バルク超伝導体は10 Tを大きく超える磁場を捕捉することが可能[1][2]で、潜在的に幅広い分野での応用が期待されている。しかし、超伝導線材・超伝導薄膜・超伝導素子などと比べるとバルク応用においては大きく後れを取っており、いまだ実用化に向けて適用可能な分野の模索が続いているというのが現状である。現在想定されている応用分野としては、超伝導電動機・発電機、磁気浮上輸送、磁気ドラッグデリバリー、小型NMR、磁気分離などがあげられている。

我々は2005年ころからバルク超伝導体の加速器への応用について検討を進め、2006年に新型アンジュレータの提案[3]を行い、試験機による原理実証試験から実用化に向けた基礎研究を続けてきた[4][5]。特に、アンジュレータ応用においては格段に高い磁場分布制御が要求されるが、従来からバルク超伝導体解析に広く使われてきた有限要素法にはモデルサイズや精度に限界があった。そこで新たなモデリング手法としてバルク超伝導体内部に誘導される遮蔽電流をモデル化したループ電流モデルを考案し、開発を進めてきた。本計算モデル研究による磁場解析の進展により、高精度な磁場分布補正の手法やバルク超伝導体の電流特性の違いが磁場分布にどのような影響を与えるかが定量的に理解できるようになりつつある。 本講演では、バルク超伝導体の基礎にはじまり、ループ電流モデルに基づきバルク超伝導体内部に誘導できる遮蔽電流発生のメカニズムおよび遮蔽電流分布を直感的に理解するための描像を概説し[6]、遮蔽電流制御を活用可能ないくつかの研究テーマを紹介し、その実現可能性や将来の新規分野開拓に関する議論を行う。

References
[1] M. Tomita, M. Murakami, Nature, vol. 421, no. 6922, p. 517-520 (2003)
[2] J. H. Durrell, et al., Supercond. Sci. Technol. 27 0820001 (2014)
[3] T. Kii, et al., Proc. FEL2006, pp. 653-655 (2006)
[4] T. Kii, et al, Proc. PAC09, pp. 2435-2437 (2009)
[5] R. Kinjo, et al, Applied Physics Express Vol. 6 042701 (2013)
[6] T. Kii, Journal of Physics Conference Series 695(1):012005 (2016)

 

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