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「放射線被ばくの早見図」について | 東日本大震災関連情報

掲載日:2021年5月6日更新
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QST放射線医学研究所で公開している「放射線被ばくの早見図[PDFファイル/1.58MB]」は、東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故直後に、一般の方にはなじみのない放射線の単位等が繰り返し報道されたことから、放射線被ばくについて考える際に参考としてお使いいただけるようにホームページに掲載したもので、身近に使われる医療放射線による被ばくや、身の回りの自然放射線による被ばく、線量に応じた人体への影響、管理上の基準となる値等を一覧に示しています。
科学的妥当性を損なわないようにしつつ、分かりやすいものとなるように作成しており、今後も引用している情報が更新された場合や、表現が分かりにくいといった御意見をもとに改訂する場合があります。
※2011年4月にホームページ上で公開以降、2回見直しを行っています。
2011年(平成23年)4月2日 公開
2012年(平成24年)4月5日 改訂
2013年(平成25年)5月28日 改訂
2015年(平成27年)4月1日 クレジット表記のみの改訂
2016年(平成28年)4月1日 クレジット表記のみの改訂
2018年(平成30年)5月14日 改訂
2021年(令和3年)5月6日 日本語版のクレジット表記のみの改訂

以下に「放射線被ばくの早見図日本語版 [PDFファイル/1.58MB]/英語版[PDFファイル/2.1MB]」(2018年5月改訂版)について、概要を説明します。

  • 日常生活で受ける放射線の量を比較すると、放射線治療のような特殊なケースを除き、診断や航空機搭乗等の一回当たりの被ばく線量や、自然放射線等による1年間当たりの被ばく線量は、ミリシーベルト(mSv)単位のものがほとんどです。
  • 100mSv以上の部分の、「がん死亡のリスクが線量とともに徐々に増えることが明らかになっている」との表現は、専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行う国際学術組織である国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告(Publication.103)の記述に沿ったものです。2011年4月にホームページで公開した早見図では、(100mSv以下では)「がんの過剰発生がみられない」と記載していました。これは、100 mSvより低い線量では、がん死亡のリスクの増加が統計学的に検出されない(注:がんの過剰発生がないことが証明されたわけではない)という趣旨でしたが、「がんが過剰発生しないことが科学的に証明されている」かのように誤って解されることを避けるため、2012年4月の改訂時に表現を改めました。
  • 自然放射線の線量について、外国の「高自然放射線地域における大地からの年間線量」は、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR※1)2008年報告書を引用し、また、「1人当たりの自然放射線量(年間約2.1mSv)日本平均」は、2011年12月に発行された「新版生活環境放射線(国民線量の算定)」(公益財団法人原子力安全研究協会)※2を引用しています。

    ※1UNSCEARの概要

    UNSCEARは、1955年に人体と環境への放射線の影響に関する情報の収集と知識の普及を目的に、国連総会の下に設置され、日本は国際連合に加盟する前に、この組織に加盟しました。現在27カ国が加盟しております。
    UNSCEARの報告書は、1958年に初めて刊行した後、数年毎に放射線・放射能の環境中の分布から人体影響までに至る包括的なテーマを扱っています。
    報告書の内容は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告や国際原子力機関(IAEA)の国際基本安全基準(BSS)等放射線防護の安全基準を制定する上で重要な科学的知見を提供しています。

    ※2日本の自然放射線の線量について

    2011年4月にホームページに掲載した早見図の記載(年間1.5mSv)は、1992年8月に発行された「生活環境放射線(国民線量の算定)」(財団法人原子力安全研究協会)から引用しました。

    2011年12月に「新版生活環境放射線(国民線量の算定)」が発行されたことから、根拠となる論文を精査の上、必要に応じ当該論文の著者に研究手法等を確認すること等によりその信頼性を検証し、2.1mSvの値を採用することといたしました。値が変わった理由の一つに、食品中のポロニウム210による内部被ばく線量が計算に加えられたということがありますが、論文の著者に事実関係を確認する等の検証を経て、2013年5月の改訂時にこの値を反映しました。

  • 放射線検査による被ばく線量は、検査の種類によって異なり、歯科撮影のように局所的にごくわずかな被ばくをする場合もありますし、CT検査やPET検査のように、被ばく線量が比較的高い場合もあります。
    現在、早見図に掲載してある胃のX線検診の数値は、いわゆる「胃がん検診」として実施されているX線検診のことです。2011年にホームページに公開した早見図では、胃の精密検査の値として、1995年の文献(「生活と放射線」丸山隆司編、放射線医学総合研究所)に基づき0.6mSv程度を記載しておりました。これは胃のX線集団検診の値で、精密検査という記載は誤りでした。また、これは約20年前のデータであり、より新しい評価値を掲載すべきとの問題意識から、2012年4月の改訂時に妥当性が確認できた最新の値として、INNERVISION2010年6月号「特別報告・医療における放射線防護」での、精密検査のデータをまとめた報告に基づき、「胃のX線検診(1回)」の値として3mSv程度を採用することといたしました。
  • 2015年4月1日に国立研究開発法人化に伴い、クレジット表記のみ改訂しました。
  • 2016年4月1日に国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所の発足に伴い、クレジット表記のみ改訂しました。
  • 以前よりICRPにおいて白内障のしきい値を0.5Gyにする声明が出されておりましたが、このたび、放射線審議会長がこの声明に沿って線量限度を見直すよう、関係行政機関の長宛てに意見具申したことを機に、眼水晶体の白濁に関する線量限度の矢印の起点を0.5Gyに改訂することといたしました。(2018年5月16日)

本件に関する連絡先

ご意見やご質問は下記の連絡先までお問い合わせください。
また、旧バージョンの早見図が使用されている場合がございましたら、ご一報いただけますと幸いです。

量子科学技術研究開発機構 経営企画部 広報課
Tel:043-206-3026
Fax:043-206-4062
E-mail:info@qst.go.jp

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