2021年10月17日(日曜日)にオンラインで第33回公開講座「量子技術で拓く新医療‐がん・認知症・再生医療研究の最前線‐」を開催し、138名ものご参加をいただきました。
公開講座では、重粒子線がん治療、脳機能イメージング技術を活用した認知症の診断・予防・治療法の開発、被ばく医療への再生医療の応用および、再生医療のさらなる発展に貢献する最先端の量子イメージング技術に関する研究について紹介しました。
重粒子線がん治療の講演では、適応疾患やQST病院(旧 放医研病院)の治療成績についての説明や、さらなる普及に向けてQSTが取り組んでいる治療装置を高性能化・小型化する技術開発、非がんへの適用拡大に向けた展望をお話しました。認知症の診断・予防・治療法の開発に関する講演では、認知症の脳に溜まるタンパク質の「ゴミ」をPETで可視化する技術を活用して超早期診断や予防・治療の実現を目指す研究についてお話し、企業との共同研究で製品化に至った機能性食品についても紹介しました。
再生医療に関する講演のうち、被ばく医療への応用に関する講演では、放射線による身体への影響の話に始まり、放射線皮膚障害に対する幹細胞を用いた治療の例や基礎研究の最新の知見についてお話しました。量子イメージング技術に関する講演では、量子ドットを用いて移植細胞の生体内の分布を「見る」、細胞内の温度などを計測できる蛍光ナノダイヤモンド量子センサを用いて細胞の状態を「診る」といった技術の最先端の研究を紹介しました。
どの講演にも多数の質問をいただき、中には講演者が驚くような視点のものもありました。アンケートでは興味深い内容の講座だったとの感想が多く寄せられました。
今後も研究成果や取り組みについて、このような機会を通じて発信していきたいと思います。
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。