2022年6月22から23日に、都賀中学校(千葉市)から2年生の生徒3名が職場体験に来所しました。
1日目は、放射線の基礎を、学生や専門家向けに行う研修で職員が行う準備の体験も交えて学習しました。また、放射線の安全管理に携わる職員から管理業務について話を聞き、その業務の一部を体験しました。
2日目は、重粒子線がん治療施設と放射性薬剤を製造する施設の見学や、認知症の診断・治療法の開発に取り組む研究者の話を聞き、その研究者が行っている実験の一部の体験をしました。
生徒たちは、「この仕事に就くにはどのような進路選択をしたら良いですか?」「どんな性格の人が向いていますか?」「やりがいは何ですか?」など、積極的に質問して、どの体験にも丁寧に取り組んでいました。
研究所で働く人や、その仕事に触れたこの機会が、将来に少しでも役に立てばうれしく思います。
液面レベルを計測する実習 |
重粒子線がん治療施設を見学 |
認知症モデルマウスの脳組織切片を観察 |
生徒の感想
広報の仕事体験として、生徒たちに印象に残った体験の写真選択と、感想執筆を行っていただきました。ぜひご覧ください。
生徒1
今回の職場体験で印象に残ったのは二つあります。一つ目は自分で霧箱を作って実際に放射線を見たことです。スポンジで皿を作り、アルコールで湿らせてドライアイスをいれるだけで放射線が見られるということに驚きました。また、放射線と聞くと怖いイメージを持っていたけれど日常生活で食べ物や呼吸などで被ばくしているけれど体にそんなに害がないという話を聞いてほっとしました。もう一つは放射線を測定する機械を実際に使っていろいろな物の自然放射線を測定したことです。測ったものの中でカリ肥料が一番高かったことが意外でした。
昆布やカリ肥料などの試料の放射線を測定 |
霧箱を工作して放射線を観察 |
生徒2
薬剤合成施設を見学し、施設までの廊下にはたくさんのGMサーベイメータや扉があり、拡散してはならないものがあることがわかりました。途中では黄衣も着て研究者になった気分になり、PET薬剤を作っているところを見ることができました。また、施設の人は中学校の教科では理科の化学が好きだったそうなので、説明も少しですが理解することができ、理科が好きな僕にとってはかけがえのない時間でした。職場体験を通して、将来この仕事に携わってみたいと思いました。
薬剤合成施設を見学 |
生徒3
私が今回の職場体験学習で印象に残っている出来事は、緊急被ばく医療施設での実習です。
ここでは主に、放射線管理業務について学ばせていただきました。放射線は医療で上手く利用するのが可能ということ、その一方で少し間違えれば大きな事故になり兼ねないということ、また過去にあった災害のお話を聞いて、管理の仕方には十分な注意が必要なのだと、改めて感じました。その後は自分たちも実際に使われている防護服を着用し、現場で活躍する方々の苦労を体験することができました。学校では決してできないような体験やお話をしてくださった事業所の皆さん、貴重な経験をさせていただきありがとうございました。今回学んだことを今後の学校生活や将来に生かしたいと思います。
放射線管理業務の説明を聞く様子 |
防護服の着用体験 |
放射線測定を体験 |