量研では、これまでの重粒子線がん治療装置に、最新の量子科学技術を導入し、超小型化・低価格化を行うとともに、最新の知見からより治療効果の高い治療法の研究開発を進め、超小型で低価格、高性能の次世代重粒子線がん治療=量子メスを実現します。更に、標的アイソトープがん治療、イメージングによるがん早期発見などと組み合わせることで「がん死ゼロ健康長寿社会」を目指します。
超小型化・低価格化
量研の超電導技術、イオンの加速技術を用いて治療装置を超小型化することで、装置・建物コストを下げ、重粒子線治療の普及展開に貢献します。
寄附金を活用した研究開発では、超電導電磁石の試作や治療施設の設計なども促進されており、小型化に必要な研究開発が着々と進行しています。
※音が出ますのでご注意ください。
マルチイオン照射
これまでの炭素イオンだけでなく、ヘリウムイオンや酸素イオンなどを照射=マルチイオン照射することで、がん腫瘍への生物効果を高めた治療法の開発を進めます。より高い治療効果はより短期のがん治療につながり、2人に1人はがんにかかると時代において、「働きながらの日帰りがん治療」も可能になると考えられます。
(1)腫瘍中心部には、炭素より生物効果の高い酸素 ↠ がんの再発抑制
(2)腫瘍中心の周辺、浸潤領域には炭素 ↠ 従来の治療の踏襲
(3)正常組織近傍には、炭素より生物効果が低いヘリウム ↠ 副作用低減
がん死ゼロ健康長寿社会実現に向けて~量研の戦略~
2018年11月8日に開催されたOstec講演会における講演の模様をまとめたものです。