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量研について

未来を拓く量子の力

掲載日:2018年12月26日更新
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 モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)が活躍する社会は、超省エネ、超高速、超小型の次世代情報デバイスによって拓かれるといっても過言ではありません。

 量研では、量子の世界で起きる特有の現象を利用して、これまでの常識を打ち破る量子機能材料の創製を進めます。量子機能材料を開発するための研究は、「量子センサー」や「スピントランジスタ」といった次世代情報デバイスにより情報処理に革新をもたらすだけでなく、材料・ものづくり、医療といった広範な分野でのイノベーション創出につながります。

 

量子センサー

 近年、ダイヤモンドの結晶中に、「NVセンター」という特殊な構造が生まれると、電子の「スピン」と呼ばれる量子状態の利用や制御が可能になることが知られるようになりました。

 電子のスピンを利用したり制御できたりすると、非常に微弱な磁気でも計ることができる「量子センサー」として使うことができ、MRIのような磁場を用いた医療技術から蓄電池、燃料電池といった電場や温度に関するモノづくりの技術まで、応用の可能性は多岐にわたり、超スマート社会の実現を加速できます。

 高崎量子応用研究所は、世界最高濃度のNVセンターを含むダイヤモンドの作製に成功しており、今後、さらに安定で確実に働く量子センサーの開発を進めていきます。

スピン

 電子を量子の目で見ると、電気の性質と、磁石の性質を合わせ持っています。スマートフォンなどにも用いられる「トランジスタ」は、電子の電気の性質を利用して動きますが、量研は、磁石の性質も合わせて使うことで、従来よりも高速でエネルギー消費の少ない「スピントランジスタ」の実現を目指しています。

 スピントランジスタの開発には、磁石の性質を制御したままで輸送できる「グラフェン」などの量子機能材料の研究が不可欠です。これらの研究を通して、情報技術が抱える電力消費の肥大化の問題を解決します。

 

グラフェン

↑グラフェンを用いたスピントランジスタの概念図。

グラフェンとは炭素原子がハチの巣状に結合した非常に薄い物質で、

これを用いて電子のスピン(磁石の性質)の向きを制御、

電極間の情報伝達を処理し、トランジスタとして動作します。

 

先端

 量子センサーやスピントランジスタなどの開発には、量子の振る舞いを調べるための最先端の計測技術が必要です。

 量研は、磁石にX線を当てたとき、磁石のS極とN極の置き方によって、発生する蛍光X線の振れ方(偏光)が変わることを発見しました。この発見は、磁気を帯びた物質の観察技術向上につながりました。量研では、このような計測技術の開発にも取り組んでいます。これまでにできなかった計測を可能にして、大学や産業界に広く活用してもらうことで、日本の科学技術力の向上に貢献していきます。

 

X線

蛍光X線の振れ方の違いを表した図。試料の磁化を反転させると偏光の回転方向も反転します。

この現象は蛍光X線の発見から100年目に量研が発見したものです。

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