地球を離れて、月や火星などのもっとずっと遠い宇宙で生活し活動するための計画が世界的に進められ、現在活躍している宇宙飛行士だけでなく、一般の人々も宇宙旅行を楽しむ未来が近づいています。しかし宇宙には、宇宙放射線と呼ばれる陽子線や炭素線等を含む重粒子線がたえず飛び交っていて、地球上に比べてはるかに厳しい環境となっています。
量研では、放射線の生物影響や効果的な遮へい方法、確度の高い線量評価技術の確立を通じて、長期間にわたって宇宙放射線にさらされる宇宙飛行士や将来の宇宙旅行者の健康リスクを出来る限り低減させ、人類の宇宙活動の発展に貢献していきます。
放射線による発がんのメカニズムや継世代(遺伝的)影響等の解明を進め、放射線が人体に及ぼす影響のリスク評価や健康管理に必要な被ばく管理手法の確立、放射線防護剤等の研究開発を行うことで、人体への放射線の悪影響を低減するための取組を行います。
安全な宇宙進出の実現のために、過酷な放射線環境を想定した放射線の計測技術や線量評価法、さらには効果的に宇宙放射線を遮へいする技術や方法に関する研究開発を行います。