先端高分子機能性材料アライアンス

研究紹介

掲載日:2023年10月17日更新
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先端高分子機能性材料アライアンスでは、放射線グラフト重合法を利用することで、燃料電池や蓄電池に利用する高分子電解質膜や希少金属の再利用などに欠かせない金属捕集繊維などの高性能高分子機能材料の開発を進めています。近年、新規高機能性材料の創製やその効率的開発の実現に向けてデータベースや機械学習による統計解析を活用するマテリアルズ・インフォマティクスが注目されています。そこで、今後の産業界の競争力強化に不可欠な新たな高機能高分子材料を高効率で創製する技術確立を目指して、人工知能(機械学習等の解析手段)を用いるマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の活用を開始しました。本アライアンスに参加いただく会員企業とともに、放射線グラフト重合を利用した高分子機能性材料開発に関して長年の技術の蓄積と技術移転を通して数多くの製品化を実現してきた量研が中心となり、外部(大学・国研)との研究協力を活用しながら、新たな高分子機能性材料の高効率創製技術を確立するために下記項目を実施します。

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[1] 高分子機能性材料の合成と重合予測

[2] 計測・シミュレーション技術による構造解析研究

[3] 統計解析手法による機能予測

[4] データ抽出法の高度化とデータベース整備

研究概要

​ 具体的には、MI活用に不可欠な信頼性の高いデータベースを構築するため、これまで蓄積した多くのグラフト重合に関する文献の整理や新規モノマー、高分子基材を用いた放射線グラフト重合実験により、グラフト重合データベースを拡充します。特に、高分子材料特有の問題として、その高次構造(3次元構造)が機能性の発現に大きく関係していることから、量子ビーム施設をフルに活用した中性子・X線小角散乱(SANS/SAXS)等による階層構造解析やマルチスケールシミュレーションなどを組みえ合わせることで、構造データベースを整備し、機能予測精度の向上を目指します。また、文献データ等からの効率的なデータ抽出手法を整備し、機械学習等の統計解析技術を利用することで、グラフト重合と合成した高分子材料の機能を予測するシステムを構築します。